文献情報
文献番号
200825062A
報告書区分
総括
研究課題名
降圧治療および抗凝固療法の個人の特性に応じたテーラーメード治療確立に関する研究
課題番号
H20-循環器等（生習）・一般-016
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
河野 雄平(国立循環器病センター 内科高血圧腎臓部門)
研究分担者(所属機関)
- 長束一行(国立循環器病センター 内科脳血管部門)
- 宮田敏行(国立循環器病センター研究所 病因部)
- 宮田茂樹(国立循環器病センター 輸血管理室)
- 神出 計(大阪大学大学院 老年腎臓内科学)
- 鎌倉史郎(国立循環器病センター 不整脈)
- 山本 晴子(国立循環器病センター 臨床研究開発 脳血管内科)
- レジャバ アレキサンダー(理化学研究所 ゲノム科学総合研究センター)
- 古賀政利(国立循環器病センター 脳血管内科)
- 矢坂正弘(九州医療センター 脳血管センター 臨床研究部)
- 是恒之宏(大阪医療センター)
- 長谷川泰弘(聖マリアンナ医科大学 神経内科)
- 花田裕典(国立循環器病センター研究所 循環分子生理部)
- 嘉田晃子(国立循環器病センター研究所 病因部)
- 楽木宏実(大阪大学大学院 老年腎臓内科学)
- 相馬正義(日本大学医学部 総合内科 高血圧内分泌)
- 土橋卓也(九州医療センター 内科高血圧腎臓病)
- 森本茂人(金沢医科大学 高齢医学高血圧老年病)
- 三木哲郎(愛媛大学医学部 加齢制御内科学 高血圧老年病)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書（概要版）
研究目的
高血圧治療において、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB),カルシウム拮抗薬(CCB),サイアザイド系利尿薬(TD)は広く用いられているが、降圧薬の効果には個人差がある。本研究は，これらの降圧薬関連SNPをタイピングすることによる薬剤選択の有用性を証明することを目的とする。また、心原性脳塞栓症の予防には抗凝固薬のワルファリンが用いられるが、至適投与量に大きな個人差がある。本研究では、ワルファリンの効果に関連する遺伝子多型と食習慣などを調べ、個人の至適投与量を推定する方法を開発することも目的とする。
研究方法
降圧薬については、先行研究のGEANE研究(Gene Evaluation of Antihypertensive Drugs Effect)で明らかになったARB, CCB, TZの効果関連SNPから至適降圧薬を選別する方法を検討した。また、前向きにSNPによる降圧薬選択を行なうGEANE2研究を計画した。ワルファリンについては、至適用量に関する遺伝子多型と食事の影響を検討する（The Study on the Contribution of Genetic Factors or Dietary Vitamin K Intake to Individual Warfarin Dosage [Godward Study]）を開始し、ワルファリン投与量とPT-INRの推移等について調査した。
結果と考察
降圧薬に関しては、各薬剤で150-180SNPサイトを抽出し、個人ごとの遺伝子型から降圧薬の有効性を99%以上の正確性で判定するモデルを作成した。本研究により、SNPよりARB,CCB,TDといった主要降圧薬の選択が遺伝子情報により行なえる可能性が示された。Godward Studyでは、ワルファリン効果が発揮されやすい群が3.2％、されにくい群が1.6％存在することが判明した。食事調査票による調査やビタミンK測定などによる詳細な検討は、遺伝子多型情報を合わせて、ワルファリンの至適投与量の推定に重要な情報をもたらすものと期待できる。
結論
SNPより主要降圧薬を選択できる方法を開発した。遺伝子情報による高血圧テーラーメード医療の確立を実現するため、GEANE2研究を開始する予定である。ワルファリン関連研究は、遺伝子多型、食事調査票による栄養摂取等が薬効に及ぼす影響について検討し、さらに季節変動等の検討を加えた多施設共同研究を開始した。
公開日・更新日
公開日
2009-05-13
更新日
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