各種健診データとレセプトデータ等による保健事業の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200825060A
報告書区分
総括
研究課題名
各種健診データとレセプトデータ等による保健事業の評価に関する研究
課題番号
H20-循環器等(生習)・一般-014
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
水嶋 春朔(横浜市立大学医学部社会予防医学教室・大学院医学研究科情報システム予防医学部門)
研究分担者(所属機関)
  • 大重 賢治(横浜市立大学医学部社会予防医学教室・大学院医学研究科情報システム予防医学部門)
  • 佐藤 敏彦(北里大学医学部附属北里臨床研究センター)
  • 島 健二(医療法人川島会川島病院)
  • 島袋 充生(琉球大学医学部附属病院第二内科)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院 人材育成部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、医療保険者が管理する特定健診・保健指導のデータとレセプトデータを突合し、課題を明確にし、効果的な特定保健指導だけでなく、医療機関への確実な受診、必要に応じた専門医への紹介等を含めた、具体的な保健事業の開発と保健事業の効果を評価・分析する手法に関するプログラムの作成を目的とする。
研究方法
1.特定健診・保健指導の評価におけるレセプト病名の検討を実施した。2.生活習慣病ならびに心臓血管イベントの発症リスク解析システムの構築をすすめた。3.糖尿病外来における糖尿病患者治療中断の実態:糖尿病の治療中断の実態及びコントロール状態への影響について、川島病院糖尿病外来に過去1年間に受診した患者677名中、3ヶ月以上受診を中断した患者47名(6.9%)の臨床的特性、中断後の治療状況を調査した。また長期中断後再受診した10名について、病態の変化を検討した。4.各種健診データとレセプトデータ等による保健事業の評価のためのデータ分析手法-特定健診・保健指導による生活習慣病の減少予測法を検討した。
結果と考察
1.七つの企業健康保険組合の被保険者および扶養者計33万人のレセプトを匿名化、名寄せしたDBを活用して、平成19年5月より20年4月の1年間の糖尿病および糖尿病合併症に関連した傷病名が記載されたレセプトを抽出し、標準病名、レセプト記載病名毎に検討したところ、糖尿病では1054件のレセプト傷病名があり、病名の標準化により68件(6.5%)となった。同様に、脳血管疾患、心疾患関連では、それぞれ64件/1017件(6.3%)、52/560(9.3%)で、レセプト記載傷病名は標準病名の10?20倍存在することがわかった。2.沖縄県内で、過去5年間の国民健康保険加入者のデータを有する4市町住民(総人口12万、国民健康保険加入者5万)を対象としたデータベース(①一次健診データ②二次健診データ(75g糖負荷検査、頚部エコー、微量アルブミン)③生活習慣病病歴データ④医療費データ⑤保健指導情報の開発を開始した。3. 4.特定健診・特定保健指導データ等に基づき、「特定保健指導」「それ以外の保健指導」「医療との連携」「未受診者対策」等のそれぞれで、生活習慣病有病者・予備群がどの程度予防可能か、生活習慣病に関する医療費がどの程度削減可能かを、今後蓄積されてくる実際の健診・保健指導のデータを用いて予測する方法を検討した。
結論
医療保険者が実施する特定健診、特定保健指導のデータおよびレセプトデータを個人単位で突合させるための技術的検討することができた。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
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