特定保健指導のアウトソーシング先に対する「保健指導の質の評価ガイド」を利用した質の管理・促進に関する研究

文献情報

文献番号
200825058A
報告書区分
総括
研究課題名
特定保健指導のアウトソーシング先に対する「保健指導の質の評価ガイド」を利用した質の管理・促進に関する研究
課題番号
H20-循環器等(生習)・一般-012
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究分担者(所属機関)
  • 石原逸子(産業医科大学 産業帆子円学部)
  • 鳩野洋子(九州大学 医学(系)研究科(研究院))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特定健診・保健指導の制度において、提供される保健指導サービスの質の向上を図るための方策の検討とツールの開発を行った。
研究方法
①地方自治体に対する特定保健指導の実施および質の管理状況に関する郵送調査、②健保組合等の特定保健指導の実施状況および委託先の選定プロセスや重視事項等の実態に関する郵送調査、③地方自治体用「保健指導質サービス品質管理システムガイドライン」を作成、④委託機関用「保健指導の質の管理ガイドライン(案)」をもとに、特定保健指導サービス機関2箇所における導入支援モデル事業、⑤先駆的な活動をしている保健師へのインタビューを基にした保健指導実践者のキャリアコンピテンシーの作成を行った。
結果と考察
①多くの市町村が特定保健指導を外部委託しており、今後の委託においては「保健指導の質」を重視したいとする割合が高かった。特定保健指導を自前で実施している自治体は、質の確保・向上のために様々な工夫が行われていたが、質の管理の体制や保健指導実践者に対して個別に行う教育・研修計画等の実施率が低くかった。②8割以上の健保組合が外部委託を行っており、多くが個別契約等、医療保険者として委託先を選定していた。「保健指導の質」は、今後に委託先を決める際にもっとも重要視されている項目であった。③導入支援モデル事業の結果を受け、「保健指導サービス提供のための保健指導サービス品質管理システム導入支援ガイド(暫定版)」を作成した。④特定保健指導サービスを直接提供する自治体における特定保健指導の質の管理の指針となる「保健指導サービス品質管理システムガイドライン」(自治体むけ暫定版)を完成させた。また、特定保健指導の推進において積極的に関与している保健所の取り組みについてまとめた。⑤保健指導実践者が役割を遂行する際に必要な知識・技術、行動目標を表記した。また行動を表す基本定義を保健指導実践者のキャリアコンピテンシーとして表した。
結論
市町村に対しては、「保健指導サービス品質管理システム導入支援ガイド(自治体版)」の完成および都道府県および保健所を巻き込んだ支援モデルの構築、保健指導サービス機関に対しては「保健指導サービス品質管理システム導入支援ガイド(委託機関版)」の提供、医療保険者に対しては質の高い委託先の選定機能を向上させるための施策、保健指導実践者の資質向上のためには、コンピテンシー向上のための研修・教育プログラムの作成が必要と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2009-03-23
更新日
-