ヒスタミンと心不全の関連についての検討-H2レセプターブロッカーは心不全を改善するか

文献情報

文献番号
200825029A
報告書区分
総括
研究課題名
ヒスタミンと心不全の関連についての検討-H2レセプターブロッカーは心不全を改善するか
課題番号
H19-循環器等(生習)・一般-012
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
北風 政史(国立循環器病センター 臨床研究開発部)
研究分担者(所属機関)
  • 筒井 裕之(北海道大学大学院医学研究科循環病態内科学)
  • 和泉  徹(北里大学医学部循環器内科学)
  • 安村 良男(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター循環器科)
  • 佐々木達哉(独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター循環器内科)
  • 松原 広己(独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器内科)
  • 白木 照夫(独立行政法人国立病院機構岩国医療センター内科、循環器科)
  • 海北 幸一(熊本大学医学部附属病院循環器内科)
  • 宮尾 雄治(独立行政法人国立病院機構熊本医療センター循環器科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
基礎的研究により、ヒスタミン刺激が心不全の増悪因子となりうるかを、我々が最近確立した新しい心不全モデルマウスを使用することにより立証し、より正確に短時間でヒスタミンの影響の検討、メカニズムの解明を行える評価系の確立を行う。糖尿病が心不全の直接的増悪因子であるとの報告が国内外において報告され始めているが、ヒスタミンについては報告もほとんど見られず、これらの分子生物学的メカニズムを明らかにした研究は皆無である。
研究方法
ふまえ本研究では、後述の検討により心筋障害のメカニズムを解明する。
1.マウス心不全モデルにおけるヒスタミンH2レセプターブロッカーの心不全予防効果の検討
2.成犬ペーシング不全モデルにおけるヒスタミンH2レセプターブロッカーの心不全予防効果の検討
3.糖尿病マウスを利用した、マウス心筋代謝における長期間高血糖とヒスタミン関連の検討
4.多施設共同臨床試験によるH2ブロッカーの心不全に対する効果およびそのメカニズムの検討
結果と考察
本年度は、「マウス心不全モデルにおけるヒスタミンH2レセプターブロッカーの心不全予防効果の検討」において、かかるモデルの心不全がヒスタミンH2レセプターブロッカーの投与により軽減することを確認すると同時に、ヒスタミンH2レセプターノックアウトマウスにおいて心不全が軽減されることを明らかとした。かかる効果発現のメカニズムとしてヒスタミンH2レセプターが重要であることが確認された。
 また、「多施設共同臨床試験によるH2ブロッカーの心不全に対する効果およびそのメカニズムの検討」においては、心不全症例においてH2レセプターブロッカーが、再入院の回数を減少させる可能性が示唆されているが、さらなる症例の集積を行った。
結論
「ヒスタミンH2レセプターブロッカー」は心不全治療に有用であることが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
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