腎疾患重症化予防のための戦略研究

文献情報

文献番号
200825018A
報告書区分
総括
研究課題名
腎疾患重症化予防のための戦略研究
課題番号
H19-循環器等(生習)・一般-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
財団法人 日本腎臓財団(財団法人 日本腎臓財団)
研究分担者(所属機関)
  • 山縣 邦弘(筑波大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
266,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、「慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)」という概念が確立され、我が国においてはこの透析予備群であるCKD患者数は1,300万人程度存在すると概算されている。そこで、かかりつけ医/非腎臓専門医と腎臓専門医の間の協力体制を確立し、「CKD診療ガイド」の遵守率・達成度を上げることにより、5年後の透析導入患者数を、予測される5年後の導入患者数の15%減少した値とすることを研究目的とする。
研究方法
CKD患者を対象とし、地区基幹病院あるいは地区医師会を中心とした「かかりつけ医/非腎臓専門医と腎臓専門医間の診療ネットワーク」を募集し、かかりつけ医/非腎臓専門医と腎臓専門医との診療連携を促進するための「慢性腎臓病診療連携支援システム導入群」(介入群)と「通常診療連携群」(対象群)の2群に割り付けるクラスター・ランダム化比較試験を実施する。
結果と考察
平成20年度、研究に参加する地区医師会、かかりつけ医、腎臓専門医そして参加者の登録が行われ、全国15幹事施設において、49の地区医師会・医会が選出され、491施設のかかりつけ医と530名の腎臓専門医が登録された。参加者は2,490名の登録連絡があり、最終的に2,417例の参加者が登録された。平成20年10月20日に統計家によりランダムに割付がなされ、介入A群は23医師会・医会、参加者数1,211例、介入B群は26医師会・医会、参加者数1,206名と割り付けられた。平成20年10月20日より介入A群、介入B群による介入が開始された。これは当初予定した、目標患者登録数2,500に対し、96.7%に達するものである。また、A群、B群共に必要な、CKDに対する知識啓発のための、CKD管理ノートの作成、日常の自己管理記録用ノートの作成を行った。管理栄養士が統一指導をするためのマニュアル、指導内容優先順位決定に使うチェックリストを作成し、また指導を行う組織体制の整備を行った。更に、受診促進や診療達成目標を通知する(B群のみ)システムの作成を完了した。
結論
平成20年度ほぼ目標症例を充足するリクルートを成功させた。また介入試験を行うための組織や運用システムの整備も完了した。また各種腎疾患診療のための資料作成も行った。研究終了後において公表することにより腎疾患診療の充実が期待される。これら臨床研究を進めるための方法論は今後の我が国における臨床研究推進のための知的基盤ともなりえる。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
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