生活習慣病対策における健診・保健指導による行動変容にかかる成功事例の収集及びガイドラインの作成に関する研究

文献情報

文献番号
200825008A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病対策における健診・保健指導による行動変容にかかる成功事例の収集及びガイドラインの作成に関する研究
課題番号
H18-循環器等(生習)・一般-043
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
中原 俊隆(京都大学医学部 公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 里村 一成(京都大学医学部 公衆衛生学教室)
  • 岩永 資隆(京都大学医学部 公衆衛生学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成20年度から特定健診・特定保健指導の制度が開始となり、結果を出すための保健指導の手法
がより重視されている。そこで、各自治体に健康増進事業の事例が長年にわたり蓄積されているこ
とに着目し、そのノウハウをガイドラインとして広く共有することで特定健診・保健事業の成果の
向上に寄与することを目的とした。
研究方法
平成20年5月に事例集の暫定版を全国の市区町村、保健所の健康教育担当者に送付し、同時に、事例集の改善が必要な点、「特定健診・特定保健指導」制度に関する意見、喫煙対策に関するアンケート調査と、保健指導の成功事例と失敗事例の提供をさらに求めた。
平成18年度に集まった行動変容の成功事例から内容が教育的なもの約70例を採用し、詳細についてFAXや電子メールを用い追加調査を行った。介入開始時の対象者の行動変容のステージ別に分類し暫定版事例集を作成、市区町村・保健所の担当部署に配布した。使いやすい事例集についてのアンケートに加え、追加で失敗事例・成功事例の提出を依頼した。
結果と考察
暫定版の事例集についてのアンケートの結果、75.9%(市町村)、63.6%(保健所)が「役立つ」「どちらかといえば役立つ」という回答であった。「役立つ」「どちらかといえば役立つ」と答えた理由としては、「事例を読んで、実際の指導に応用できそうである」、「同じ指導法で成功している事例が参考になる」などの意見が得られた。「どちらかといえば役立たない」「役立たない」と答えた理由として「要点がわかりにくい」、「事例を読んでも、実際の指導に応用するのが難しい」、「知りたいことが書かれていない」という意見がみられた。事例集の改良すべき点については、事例のまとめ方、事例の内容、レイアウトが上位3意見を占め、数については「多すぎるため、ありきたりな事例はいらない」という意見が自由記載として多数得られた。
事例の分類方法については、行動変容のステージ別、疾病対策別(糖尿病教室、肥満対策など)、事業別(集団健康教室、調理実習など)の順で希望が多かった。
失敗の原因の分析をするために失敗事例の提出を依頼し、27例が集まった。少なかった理由としては、関わりが少なかった(もしくは関りが少なかったから失敗した)、脱落したことで記録があまり残っていない、等が考えられる。
結論
平成20年度に集まった事例の中からも数例を抽出して追加で聞き取り調査を行い、完成版事例集を作成した。各々の事例に考察を加え、各事例から得られたものを現場で役立ててもらうためのポイントとアセスメントをガイドラインとして編集した。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
-

文献情報

文献番号
200825008B
報告書区分
総合
研究課題名
生活習慣病対策における健診・保健指導による行動変容にかかる成功事例の収集及びガイドラインの作成に関する研究
課題番号
H18-循環器等(生習)・一般-043
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
中原 俊隆(京都大学医学部 公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 里村 一成(京都大学 医学部)
  • 岩永 資隆(京都大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成20年度から特定健診・特定保健指導の制度が開始となり、結果を出すための保健指導の手法がより重視されている。そこで、各自治体に健康増進事業の事例が長年にわたり蓄積されていることに着目し、そのノウハウをガイドラインとして広く共有することで特定健診・保健事業の成果の向上に寄与することを目的とした。
研究方法
全国の市区町村と保健所の実施している健康増進事業に関する事例を収集するため、平成18年度に郵送法により行動変容成功事例の収集及び調査を行った。「健康教室に参加するようになった事例」、「予防行動をとるようになった事例」、「指示に従った結果健康状態が改善した事例」等につき、自由記載での事例報告を依頼した。成功事例約700例が提出され、その中で内容が特に教育的なもの約70例強を採用し、介入開始時の対象者の行動変容のステージ別に分類し、平成19年度に暫定版事例集を作成した。
中間評価の際に「失敗事例の考察も必要である」という意見を得て、平成19年度には暫定版事例集を市区町村・保健所の担当部署に配布するとともに、失敗事例と追加で成功事例の収集を行った。
結果と考察
暫定版事例集に対しては7割強が「役に立つ」「どちらかといえば役に立つ」という意見であった。多忙な現場で活用しやすいようにポイントのまとめの掲載と検索機能への要望が多くみられため、完成版事例集では目次と索引を作成し、事例の経過は項目別に分けて読みやすくした。
結論
成功事例と失敗事例の比較により、 「事業計画の企画と広報」、「開始時の信頼関係」、「フォローアップの方法」など、成功と失敗を分けるいくつかの要因が判明した。従来の保健指導は担当者の経験に任せて行われてきた部分もあったが、行動科学の理論に添っていることが改めて確認できた事例も多数みられた。事例から得られたポイントと行動科学の分野の研究成果をまとめてガイドラインとし、“ポイント”と“アセスメント”として現場で利用しやすいよう簡潔に編集した。
この研究で自治体における保健指導事例の収集と分析を行ったことにより、従来の健康増進事業の
学術的裏づけがなされた。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200825008C

成果

専門的・学術的観点からの成果
なし
臨床的観点からの成果
なし
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
平成20年5月に事例集の暫定版を全国の市区町村、保健所の健康教育担当者に送付し、保健指導の成功事例と失敗事例の提供をさらに求めた。平成21年度中に出版の予定である。
その他のインパクト
なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-10-07
更新日
-