温泉利用と生活・運動・食事指導を組み合わせた職種別の健康支援プログラムの有効性に関する研究

文献情報

文献番号
200825002A
報告書区分
総括
研究課題名
温泉利用と生活・運動・食事指導を組み合わせた職種別の健康支援プログラムの有効性に関する研究
課題番号
H18-循環器等(生習)・一般-036
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
上岡 洋晴(東京農業大学 地域環境科学部教養分野)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 好一(自治医科大学 医学部公衆衛生学講座)
  • 岡田 真平(社会福祉法人みまき福祉会 身体教育医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は、ブルーカラー男性とホワイトカラー男性を対象とし、生活・運動・食事指導に温泉を組み合わせた複合的な介入による健康増進効果を、1年間の観察期間を含めたランダム化比較試験により明らかにすることを目的とした。
研究方法
分担研究1:公務員男性に対して公募を行い、抽選で介入群22名とコントロール群21名に無作為割付を行った。介入群には、6ヶ月間、2週間に1回の温泉入浴と生活・運動・食事指導を行い、毎回1時間の複合的な運動プログラムや食事指導、医師による疾病予防の講話とその後に約30-45分間のナトリウム・カルシウム硫酸塩泉での半身浴を行った。さらに、1週間に最低でも1回だけは、テーラーメイド・プログラムを実践させた。分担研究2:長野県東御市近隣の第二次産業を主な業種とする企業に協力を依頼し、計44名の参加希望者があった。抽選で介入群22名とコントロール群22名に無作為割付を行った。介入群とコントロール群ともに、6ヶ月間、2週間に1回、60~90分のプログラムで、運動指導や食事指導、疾病予防の講話などの総合的健康教育を行った。介入群は、さらにプログラム後に約30-45分間のナトリウム・塩化物泉での半身浴を行ったが、コントロール群は行わなかった。
結果と考察
分担研究1:ホワイトカラー男性を対象として健康づくり教室に温泉を加えた複合的な効果について
1年間という観察期間をおいて、効果の持続を正しく評価しようとする目的があり、ドロップアウトがなく、完全にITT分析を実施できたことが良好な点であった。介入群、とくに高アドヒレンス群は、CD4+とCD4/8が高いまま状態維持されていたが、コントロール群は低下傾向にあった。また、テーラーメイド・プログラムをよく実施していた者は、教室への参加状態も良好であった。しかしその明確なメカニズムの説明は困難であり、解釈や一般化可能性には注意を要する。分担研究2:各群において、1年間の観察期間後で有意な向上が見られるアウトカムが複数あった。
結論
一般的な健康づくり教室に追加して、温泉を加える介入方法は、健康被害がなく、参加者にとって受動的な楽しみになるため、動機づけに繋がる可能性がある。参加率や自身で行う生活改善の実践率の高かった者は、免疫機能も良好に維持されていた。介護予防事業や保健事業などに温泉を組み入れることは、地域資源の有効活用という行政施策的な意義に加えて、健康づくりの観点からも良好だと考えるが、温泉自体の健康増進効果については、効果があるとは言及できない。

公開日・更新日

公開日
2009-03-23
更新日
-

文献情報

文献番号
200825002B
報告書区分
総合
研究課題名
温泉利用と生活・運動・食事指導を組み合わせた職種別の健康支援プログラムの有効性に関する研究
課題番号
H18-循環器等(生習)・一般-036
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
上岡 洋晴(東京農業大学 地域環境科学部教養分野)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 好一(自治医科大学医学部公衆衛生学講座)
  • 岡田 真平(社会福祉法人みまき福祉会身体教育医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は、ブルーカラー男性とホワイトカラー男性を対象とし、生活・運動・食事指導に温泉を組み合わせた複合的な介入による健康増進効果を、1年間の観察期間を含めたランダム化比較試験により明らかにすることを目的とした。
研究方法
分担研究1:2006年8-9月の期間に雲南市役所内で公募を行い、抽選で介入群22名とコントロール群21名に無作為割付を行った。介入群には、2006年11月から2007年4月までの6ヶ月間、2週間に1回の温泉入浴と生活・運動・食事指導を行い、毎回1時間の複合的な運動プログラムや食事指導、医師による疾病予防の講話と、その後に約30-45分間のナトリウム・カルシウム硫酸塩泉での半身浴を行った。さらに、1週間に最低でも1回だけは、テーラーメイド・プログラムを実践させた。分担研究2:2006年9-10月の期間に、長野県東御市近隣の第二次産業を主な業種とする企業に協力を依頼し、計44名の参加希望者があり、抽選でそれぞれ介入群22名とコントロール群22名に無作為割付を行った。介入群とコントロール群ともに2006年12月から2007年6月までの6ヶ月間、2週間に1回、60~90分のプログラムで、運動指導や食事指導、疾病予防の講話などの総合的な健康教育を行った。介入群は、プログラムの実践の後に約30-45分間のナトリウム・塩化物泉での半身浴を組み合わせて行い、コントロール群には行わなかった。
結果と考察
ホワイトカラー男性を対象として健康づくり教室に温泉を加えた複合的な効果について1年間という観察期間をおいて、効果の持続を正しく評価しようとする目的があり、ドロップアウトがなく、完全にITT分析を実施できたことが良好な点であった。介入群、とくに高アドヒレンス群は、CD4+が高く状態維持されていたが、コントロール群は低下傾向にあった。CD4/8も同様に交互作用があった。しかし、その明確なメカニズムの説明は困難であり、解釈や一般化可能性には注意を要する。
結論
一般的な健康づくり教室に追加して温泉を加える介入方法は、健康被害がなく、参加者にとって受動的な楽しみになるため参加率を高める効果、つまり動機づけにつながる可能性がある。参加率やテーラーメイド・プログラムの実践率の高かった者は、免疫機能も良好に維持されているものと考えられる。介護予防事業や保健事業などに温泉を組み入れることは、地域資源の有効活用という行政政施策的な意義に加えて、健康づくりの観点からも良好だと考えるが、本研究からは、温泉自体の健康増進効果については、効果があるとは言及できない。
 

公開日・更新日

公開日
2009-03-23
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200825002C