文献情報
文献番号
200824079A
報告書区分
総括
研究課題名
高精度治療技術による低リスク高線量放射線治療に関する臨床研究
課題番号
H20-がん臨床・一般-020
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
白土 博樹(北海道大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 鬼丸 力也(北海道大学 大学院医学研究科)
- 秋田 弘俊(北海道大学 大学院医学研究科)
- 石川 正純(北海道大学 大学院医学研究科)
- 石倉 聡(国立がんセンター がん対策情報センター)
- 伊丹 純(国立がんセンター 中央病院)
- 今井 高志(放射線医学総合研究所 ゲノム診断研究)
- 大西 洋(山梨大学 放射線科)
- 小川 芳弘(東北大学 放射線腫瘍学分野)
- 唐沢 克之(がん・感染症センター都立駒込病院 放射線科)
- 小久保 雅樹(先進医療センター 放射線治療科)
- 小塚 拓洋(癌研有明病院 放射線治療科)
- 塩山 善之(九州大学病院 放射線科)
- 新保 宗史(埼玉医科大学総合医療センター 中央放射線部)
- 中川 恵一(東京大学 医学部附属病院)
- 西村 哲夫(静岡県立静岡がんセンター 放射線治療科)
- 西村 恭昌(近畿大学医学部 放射線腫瘍学部門)
- 西山 謹司(大阪府立成人病センター)
- 松尾 幸憲(京都大学 医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
25,317,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
非小細胞肺癌末梢性cT2N0M0に対する体幹部定位放射線治療における最大耐容線量および推奨線量を決定するための第I相試験の実施と関連する探索的研究の実施
研究方法
1. 臨床試験プロトコールを完成させ第I層試験を実施する。
2. 線量計算にContinuous reassessment method (CRM)を取り入れる。
3. 腫瘍内科研究者を加え放射線の肺炎に対する低リスク早期治療研究を行う。
4. radiogenomicsの研究者を加え放射線感受性関連遺伝子多型研究を並列で行う準備を整える。
5. 低リスク高線量放射線治療の開発研究を「平成18年度がん臨床研究 定位放射線治療による予後改善に関する研究」に基づいて行う。
2. 線量計算にContinuous reassessment method (CRM)を取り入れる。
3. 腫瘍内科研究者を加え放射線の肺炎に対する低リスク早期治療研究を行う。
4. radiogenomicsの研究者を加え放射線感受性関連遺伝子多型研究を並列で行う準備を整える。
5. 低リスク高線量放射線治療の開発研究を「平成18年度がん臨床研究 定位放射線治療による予後改善に関する研究」に基づいて行う。
結果と考察
(結果)
1.cT2N0M0非小細胞肺癌に対する定位放射線治療第I相試験のプロトコールを作成し症例登録を開始した。2008年2月末現在で、登録患者数は3例である。
2.dose escalationの方法としてCRMを用いることを可能にした。
3.年2回定期モニタリングを行ない,安全性の評価と有効性の検討を行う。
4.本研究の素案,統計解析等は日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の指導や北海道臨床開発機構の臨床統計家のアドバイスを受けながら進める。
5.「病理診断のつかない小型肺癌への定位放射線治療」の適応基準案を作成した。
(考察)
定位放射線治療のT1N0M0に対する普及が著しいが3cmを超えるT2N0M0に関する適応はあまり広がっていない。その背景には、小型肺癌がスクリーニングの普及にて1cm程度で発見されることが増えていること、手術的な摘出術も数多く行われていることが挙げられる。
放射線治療は3cmを超えるがんでも十分な治癒率を期待できるところまで来ている。適当な投与線量を決定するためには、質の高いphase I studyを成功させ十分な線量を安全に投与することにかかっている。
その意味で本研究の意義は高く、さらにはN1のリンパ節転移が明らかな症例でも、高い制御率を上げるための工夫が必要になると予想される。
1.cT2N0M0非小細胞肺癌に対する定位放射線治療第I相試験のプロトコールを作成し症例登録を開始した。2008年2月末現在で、登録患者数は3例である。
2.dose escalationの方法としてCRMを用いることを可能にした。
3.年2回定期モニタリングを行ない,安全性の評価と有効性の検討を行う。
4.本研究の素案,統計解析等は日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の指導や北海道臨床開発機構の臨床統計家のアドバイスを受けながら進める。
5.「病理診断のつかない小型肺癌への定位放射線治療」の適応基準案を作成した。
(考察)
定位放射線治療のT1N0M0に対する普及が著しいが3cmを超えるT2N0M0に関する適応はあまり広がっていない。その背景には、小型肺癌がスクリーニングの普及にて1cm程度で発見されることが増えていること、手術的な摘出術も数多く行われていることが挙げられる。
放射線治療は3cmを超えるがんでも十分な治癒率を期待できるところまで来ている。適当な投与線量を決定するためには、質の高いphase I studyを成功させ十分な線量を安全に投与することにかかっている。
その意味で本研究の意義は高く、さらにはN1のリンパ節転移が明らかな症例でも、高い制御率を上げるための工夫が必要になると予想される。
結論
T2N0M0早期肺癌に対する定位放射線照射における多施設共同研究のプロトコールを作成し、2008年10月より症例登録を開始した。現在、その症例を集積しながらさらなる物理的な精度確認をしている。本年度はさらに「病理診断のつかない小型肺癌への定位放射線治療」の適格基準(案)を作成した。
公開日・更新日
公開日
2009-04-08
更新日
-