小児がんに対する標準治療・診断確立のための研究

文献情報

文献番号
200824076A
報告書区分
総括
研究課題名
小児がんに対する標準治療・診断確立のための研究
課題番号
H20-がん臨床・一般-017
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
堀部 敬三(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 渡辺 新(中通総合病院 小児科)
  • 康 勝好(東京大学大学院 小児医学)
  • 小川 千登世(聖路加国際病院 小児科)
  • 森 鉄也(国立成育医療センター 小児腫瘍科)
  • 多和 昭雄(国立病院機構大阪医療センター 小児科)
  • 嶋田 博之(慶應義塾大学医学部 小児腫瘍学)
  • 真部 淳(聖路加国際病院 小児科)
  • 石井 榮一(愛媛大学医学部 小児科)
  • 矢部 普正(東海大学医学部 再生医療学)
  • 石田 也寸志(聖路加国際病院 小児科)
  • 鶴澤 正仁(愛知医科大学医学部 小児科)
  • 出口 隆生(三重大学医学部附属病院 小児科)
  • 中川 温子(国立成育医療センター 臨床検査部)
  • 林 泰秀(群馬県立小児医療センター)
  • 堀江 弘(千葉県こども病院 検査部)
  • 中川原 章(千葉県がんセンター 研究局)
  • 大喜多 肇(国立成育医療センター研究所)
  • 藤本 純一郎(国立成育医療センター研究所)
  • 瀧本 哲也(国立成育医療センター研究所)
  • 小田 慈(岡山大学大学院 保健学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
48,306,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
小児がんの臨床研究基盤の整備を行い、造血器腫瘍の標準治療の確立を目指した質の高い臨床試験を実施してエビデンスを創出する。
研究方法
日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)のもとに、小児造血器腫瘍の標準治療の確立のための臨床試験を実施する。また、小児がんの臨床研究基盤を整備する。(倫理面への配慮)臨床試験を実施するにあたって①匿名化して個人情報を保護する。②統一された説明文書を用いて文書による同意を得る。③中央研究審査委員会および施設倫理委員会の承認のもとに研究を実施する。
結果と考察
これまでに開始した12の臨床試験を継続して実施した。各試験の登録数は、乳児急性リンパ性白血病(ALL)に対する臨床試験MLL03 63例(登録終了)、非ホジキンリンパ腫(NHL)に対する5つの臨床試験ALCL99 87例、B-NHL03 239例、B-NHL03 G-CSF 43例、LLB-NHL03 11例、ALB-NHL03 125例、フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)ALLに対する臨床試験Ph+ ALL04 44例(登録終了)、急性骨髄性白血病(AML)に対する3つの臨床試験AML-P05 27例、AML-05 275例、AML-D05 25例、同種骨髄移植前処置の臨床試験FM-05 6例、血球貪食性リンパ組織球症に対する臨床試験HLH2004 36例であり、LLB-NHL03、FM-05以外の登録は比較的順調である。リンパ腫病理中央診断を457例中392例(85.7%)に実施した。再発ALL、T-ALLに対する臨床試験、慢性骨髄性白血病に対する研究計画書を作成し、まもなく開始される。併行してALLの微小残存病変の免疫学的・分子生物学的手法による検出系を確立した。新たに前駆B-ALL、若年性骨髄単球性白血病、ランゲルハンス組織球症の臨床試験計画の立案を開始した。造血細胞移植法の標準化のための調査を開始した。長期フォローアップガイドライン作成の基礎資料を作成した。小児固形腫瘍の病理中央診断システムを日本病理学会小児腫瘍組織分類委員会が主体となって構築することとし、分子中央診断と合わせて現状把握した。登録数の多い11施設に対して教育を兼ねて施設訪問監査を行った。
結論
小児造血器腫瘍のほぼ全ての疾患で全国統一の臨床研究の実施が可能となり、標準治療の確立が期待される。さらに、小児がん全体の臨床研究の基盤整備が期待される。

公開日・更新日

公開日
2009-07-13
更新日
-