臨床病期Ⅱ・Ⅲの下部直腸がんに対する側方リンパ節郭清術の意義に関するランダム化比較試験

文献情報

文献番号
200824072A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床病期Ⅱ・Ⅲの下部直腸がんに対する側方リンパ節郭清術の意義に関するランダム化比較試験
課題番号
H20-がん臨床・一般-013
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
藤田 伸(国立がんセンター中央病院 第一領域外来部)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤敏彦(山形県立中央病院 外科)
  • 齋藤典男(国立がんセンター東病院 大腸骨盤外科)
  • 滝口伸浩(千葉県がんセンター消化器外科)
  • 青木達哉(東京医科大学 消化器外科)
  • 杉原健一(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
  • 藤井正一(横浜市立大学医学部付属市民総合医療センター 大腸外科)
  • 塩澤 学(神奈川県立がんセンター 消化器外科)
  • 瀧井康公(新潟県立がんセンター新潟病院 大腸外科)
  • 伴登宏行(石川県立中央病院 消化器外科)
  • 石井正之(静岡県立静岡がんセンター 大腸外科)
  • 齊藤修治(静岡県立静岡がんセンター 大腸外科)
  • 平井 孝(愛知県がんセンター 消化器外科)
  • 山口高史(京都医療センター 大腸外科)
  • 大植雅之(大阪府立成人病センター 消化器外科)
  • 赤在義浩(岡山済生会総合病院 外科)
  • 久保義郎(四国がんセンター 消化器外科)
  • 白水和雄(久留米大学医学部 消化器外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
27,499,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
あきらかな側方骨盤リンパ節転移を認めない臨床病期 II・IIIの治癒切除可能な下部直腸癌の患者を対象として,国際標準手術であるmesorectal excisionの臨床的有用性を,国内標準手術である自律神経温存側方骨盤リンパ節郭清術を対照として比較評価する.
研究方法
JCOG大腸がん外科研究グループ48施設のうち本研究計画が各施設の倫理審査の承認が得られた34施設による多施設共同試験である.術前画像診断および術中開腹所見にて,あきらかな側方転移を認めない臨床病期IIまたはIIIの下部進行癌と診断された症例mesorectal excisionを行った後,自律神経温存側方郭清を行う群と行わない群に,術中ランダム割付し,それぞれの手術終了時に手術の妥当性評価の目的で,術中写真撮影を行う.
 Primary endpointを無再発生存期間,Secondary endpointを生存期間, 局所無再発生存期間,有害事象発生割合,重篤な有害事象発生割合,手術時間,出血量,性機能障害発生割合,排尿機能障害発生割合とし,登録期間5年,追跡期間5年,登録数600例として,2003年6月から登録を開始した.
1.予定登録期間の5年を経過した段階で登録数が600例に到達しなかった.
2.追跡調査で得られた無再発生存期間が,プロトコール作成時に想定していた最も良い値となり,当初の予定登録数では十分な検出力が得られない.
以上の理由から平成21年1月28日に登録期間7年,登録数700例にプロトコール改訂した.

結果と考察
2003年6月より登録開始し,登録開始から5年8か月経過した平成21年3月末現在,557例の登録が得られている.追跡調査の結果,平成20年5月時点での登録例の3年無再発生存割合は81.3%で,5年無再発生存割合は約75%と推測された.昨年1年では124例の登録があり,過去最高の年間登録数であり,プロトコール作成時に想定した年間登録数であった.追跡調査で得られた無再発生存割合はプロトコール作成時に想定した値のもっとも良い値となり,十分な検出力を得るためにプロトコール改訂を行う必要があった.プロトコール改訂により,登録期間2年延長,登録数100例増加したが,現在の登録ペースであれば,登録期間7年で700例の登録は達成可能である.
結論
本年度の登録数は,計画通り(年間120例)の登録数であった.本年度,プロトコール改訂を行い,登録期間7年,登録数700例とした.本年度の登録状況であれば再来年度半ばに予定登録数700例に到達できる.

公開日・更新日

公開日
2009-04-16
更新日
-