文献情報
文献番号
200824071A
報告書区分
総括
研究課題名
ポリープ切除の大腸がん予防に及ぼす効果の評価と内視鏡検査間隔の適正化に関する前向き臨床試験
課題番号
H20-がん臨床・一般-012
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
松田 尚久(国立がんセンター中央病院 内視鏡部)
研究分担者(所属機関)
- 尾田 恭(服部胃腸科 消化器内視鏡)
- 金子 和弘(国立がんセンター東病院 内視鏡部消化器科)
- 工藤 進英(昭和大学横浜市北部病院 消化器内視鏡)
- 佐野 寧(佐野病院消化器センター 消化器内視鏡)
- 下田 忠和(国立がんセンター中央病院 臨床検査部)
- 藤井 隆広(藤井隆広クリニック 消化器内視鏡)
- 堀田 欣一(佐久総合病院 胃腸科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
44,620,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
大腸がん罹患の超高危険群（家族性大腸腺腫症・遺伝性非ポリポージス性大腸がん）を除く、 全ての腫瘍性ポリープを摘除した対象者に対する全大腸内視鏡(TCS)の至適検査間隔期間について、 1年と3年後に行う2回検査群と3年後のみに行う1回検査群とのランダム化比較試験によって評価する。
研究方法
1) 文書による同意取得。2) 1次TCSにより腫瘍性ポリープ全てを内視鏡摘除。データセンターに登録。3）全例1年後に再検査（2次TCS）を行い、初回検査での見逃しを含めた全ての腺腫性ポリープの摘除を行いクリーンコロンとする。その後、データセンターから2回検査群（1年と3年後の検査）と、1回検査群（3年後に検査）の割り付け情報を入手。 4) 経過観察中にみられるIndex lesion: IL（10ミリ以上の上皮性腫瘍、高度異型腺腫、 がん腫）の発見割合を1回検査群と2回検査群間で比較し、クリーンコロン施行後3年間で2回検査が必要か、3年後の1回検査で十分かどうかを検証する。 尚、本研究のPrimary endpointは、ILの発見割合とし、1回検査群の3年後に発見されるIL発生割合と、1年と3年後の合計したIL発生割合の両群間の比較試験を行ない、2％以内を許容範囲とした非劣性試験である。
結果と考察
平成18年12月までに3926名の登録が完了し、現在、2回のクリーンコロン化と割り付け作業に加え、その後のフォローアップTCSが進行中である。平成20年12月時点で、割り付けが完了しているのは2752名である。現時点での割付状況は、2回検査群（1、3年後検査群）：1084名、1回検査群（3年後検査群）：1077名、腫瘍性ポリープ（－）群：591名である。最終的な結果が得られる平成24年まで、参加者の脱落をいかに最小限に抑えられるかが最大の課題と考えている。最終結果の報告前に、内視鏡検査におけるクリーンコロン化1年後のnew lesionの出現率やInterval cancer、家族歴および成人病と発見病変との関係などの解析を予定している。
結論
平成12年－14年：遡及的検討およびプロトコール作成、平成15年－18年：試験参加登録者数（3700名）の達成、平成19年－20年： 1・2次TCSと割付け作業の完了、以上の達成目標を設定し、本研究を進めてきた。平成20年12月時点で、割付け作業はほぼ完了し、フォローアップTCSをいかに脱落なく遂行していけるかが、本研究成功の最大の課題である。平成21年度以降は、JPSから得られるデータを海外に発信していく最終段階となる。
公開日・更新日
公開日
2009-04-16
更新日
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