子宮体がんに対する標準的化学療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200824068A
報告書区分
総括
研究課題名
子宮体がんに対する標準的化学療法の確立に関する研究
課題番号
H20-がん臨床・一般-009
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
青木 大輔(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 櫻木 範明(北海道大学大学院 医学研究科)
  • 八重樫 伸生(東北大学大学院 医学系研究科)
  • 深澤 一雄(獨協医科大学)
  • 木口 一成(聖マリアンナ医科大学)
  • 青木 陽一(琉球大学 医学部)
  • 竹内 正弘(北里大学 薬学部)
  • 寒河江 悟(札幌鉄道病院)
  • 渡部 洋(近畿大学 医学部)
  • 中西 透(愛知県がんセンター中央病院)
  • 勝俣 範之(国立がんセンター中央病院 )
  • 進 伸幸(慶應義塾大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
26,190,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
子宮体がん高再発危険群の予後改善を目指し、より有効な新しい標準的化学療法を確立することを目的とする。
研究方法
従来から標準的化学療法とされてきたAP療法(Doxorubicin+Cisplatin)と、Taxane製剤+Platinum製剤併用療法としてDP療法(Docetaxel+Cisplatin)およびTC療法(Paclitaxel+Carboplatin)を選択し、ランダム化比較第Ⅲ相試験によって臨床的有効性を検証する。Primary endpointは無増悪生存期間、Secondary endpointは全生存期間、有害事象発生率、投与状況、リンパ節郭清状況とした。本試験の遂行には、ヘルシンキ宣言を遵守し、「医薬品の臨床試験の実施の基準」等を尊重した。
対象としては、原発巣が子宮体がん(肉腫、がん肉腫を除く)であることが組織学的に確認されている患者で、筋層浸潤1/2を超えるG2, G3のⅠ-Ⅱ期症例(high-intermediate risk)または残存腫瘍2 cm以下のⅢ-Ⅳ期の症例(腹腔を超えた部位への遠隔転移を認める症例を除く)、すなわち高再発危険群とし、さらに子宮全摘出術と両側付属器切除術に加えて少なくとも骨盤リンパ節郭清を施行した症例とした。
目標症例数は各群200例、計600例とし、登録期間は3年間、登録終了後の追跡期間は5年間とした。
結果と考察
本試験は、特定非営利活動法人婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構(JGOG)に属する施設を主体とした臨床試験として行うことにより実施体制の整備を進め、2006年12月より登録が開始された。
2009年1月末現在、119施設でIRB承認が得られ、84施設から357例の症例登録がなされた。参加施設から提出される症例報告書(CRF)、有害事象報告書等を通じ、データマネージメント業務とともに、2008年11月までに4回の中央モニタリングを実施した。目下のところ急送報告を要する重篤な有害事象は報告されていない。
 今後はさらに症例登録の促進とともに症例報告書の速やかな収集の徹底を図り、データマネージメント機能やモニタリングをさらに強化することで試験の質を維持することが重要と考える。
結論
子宮体がん高再発危険群の術後化学療法として国際的に標準治療と考えられているAP療法と、試験治療としてTaxane製剤+Platinum製剤併用療法を比較するランダム化比較第Ⅲ相試験を開始した。現在、試験事務局およびデータセンターを中心とした組織が順調に機能し、症例の集積が行われている。

公開日・更新日

公開日
2009-04-08
更新日
-