原発不明がんの診断・効果的治療の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200824056A
報告書区分
総括
研究課題名
原発不明がんの診断・効果的治療の確立に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-029
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
中川 和彦(近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門)
研究分担者(所属機関)
  • 西尾 和人(近畿大学医学部ゲノム生物学)
  • 岡本 勇(近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門)
  • 河野 勤(国立がんセンター中央病院第1領域外来部・腫瘍内科)
  • 倉田 宝保(大阪医科大学 化学療法センター)
  • 松本 光史(兵庫県立がんセンター 腫瘍内科)
  • 武田 晃司(大阪市立総合医療センター 臨床腫瘍科)
  • 向井 博文(国立がんセンター東病院 乳腺科)
  • 三輪 啓介(埼玉医科大学国際医療センター腫瘍内科)
  • 高橋 信(東北大学病院 腫瘍内科 (東北大学加齢医学研究所癌化学療法研究分野))
  • 山本 信之(静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科)
  • 山中 康弘(栃木県立がんセンター 化学療法科)
  • 瀧口 裕一(千葉大学医学部附属病院 呼吸器内科学)
  • 竹内 文乃(東京大学大学院情報学環 学際情報学府)
  • 南 博信(神戸大学医学部附属病院 腫瘍内科)
  • 高橋 俊二(財団法人 癌研究会有明病院 化学療法科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
19,672,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
原発不明がんを対象とした臨床試験の実施により、原発不明がんの診断と治療に関する基本的方針の啓蒙を図る。またDNA発現解析により原発巣の推定を行う新しい治療戦略の画一的な従来の原発不明がん治療戦略に対する臨床的有用性を問う第III相比較試験の実施妥当性を無作為化臨床第II相試験にて評価する。
研究方法
DNA発現解析により原発巣の推定を行う新しい治療戦略と従来の原発不明がんに対する画一的な治療戦略を比べる比較第II相試験を実施することとした。本年度はプロトコール作成、運用手順の整備、特にWJOGデータセンターと「症例登録、割付、データ管理、データ解析、委託条件」についての話し合い、遺伝子発現解析の実施手順の確立(三菱安全科学研究所)、および解析結果から原発巣の推定を行うアルゴリズムの開発と運用(東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻 生物統計学 倉橋一成先生)を整備した。2008年6月にプロトコール最終版を完成、参加施設のIRB審査に入った。
結果と考察
現在、9施設が遺伝子倫理委員会を通過し、登録可能となった。2009年3月1日現在、8症例の登録があり、8症例ともに良質のRNA抽出が可能であった。登録症例が20症例に達したところで、遺伝子発現解析の問題点をチェックするために、中間解析を実施する予定である。
結論
原発不明がんに対する現行の画一的な治療戦略から、遺伝子発現解析による原発巣の推定を通し、原発不明がん患者に対する個別化治療という新しい治療戦略への転換を促すことが期待される。また、原発不明がん患者の遺伝子発現パターンを知ることにより、原発不明がんについての新しい生物学的理解が得られる可能性がある。

公開日・更新日

公開日
2009-04-20
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-01
更新日
-