進行期難治性B細胞リンパ腫に対する大量化学療法を併用した効果的治療に関する臨床研究

文献情報

文献番号
200824054A
報告書区分
総括
研究課題名
進行期難治性B細胞リンパ腫に対する大量化学療法を併用した効果的治療に関する臨床研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-027
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
森島 泰雄(愛知県がんセンター 中央病院 血液・細胞療法部)
研究分担者(所属機関)
  • 小松 弘和(名古屋市立病院 化学療法部)
  • 朝長 万左男(長崎大学 医師薬学総合研究科)
  • 張 高明(新潟県立がんセンター新潟病院 血液内科)
  • 鵜池 直邦(九州がんセンター 血液内科)
  • 小椋 美知則(名古屋第2赤十字病院 血液内科)
  • 笠井 正晴(札幌北楡病院)
  • 渡辺 隆(国立がんセンター中央病院 血液内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
22,698,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性悪性リンパ腫である進行期マントル細胞リンパ腫とハイリスクび慢性大細胞性B細胞性リンパ腫に対する初回治療法として、わが国での初期臨床試験・経験に基づくオリジナリティの高い末梢血造血幹細胞移植併用大量化学療法を併用した治療法を開発し、治癒率の向上を目的とする。
研究方法
日本臨床腫瘍グループのリンパ腫研究グループに所属する47施設の多施設臨床試験として、2つの臨床試験のプロトコールをJCOGデータセンターの支援を得て作成し、臨床試験を遂行する。
結果と考察
1) MCLに対して、rituximab併用寛解導入療法+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法の臨床第Ⅱ相試験の予定登録数は45例とした。平成20年7月にJCOG参加予定46施設が参加して、スタートアップミーティングを開催し、現在までに12例が登録されるなど、予定された症例集積ペースを上回っているとともに、重篤な有害事象の報告はない。
2)IPI高リスク群DLBCLを対象として、導入化学療法であるR-biweekly CHOP療法(A群)とR-biweekly CHOP/ CHASER療法(B群)のランダム化第Ⅱ相試験を計画した。PR, CR症例に対しStepⅡとして自家末梢血幹細胞移植併用の大量化学療法(LEED療法)を実施する。主要評価項目は、登録時からの2年無増悪生存割合する。必要症例数は、各群それぞれ30例、計60例が必要となる。平成20年前半に参加予定施設から最終の意見聴取を行い、本プロトコールの最終了解が得られ、CRF作成など臨床試験実施の準備が整い、平成21年度初めの試験開始を予定している。
IPIで高リスク群DLBCL及びMCLの予後は不良で、治療強度を強めた導入化学療法と自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(APBSCT-HDC)により治癒率の向上が示唆されている。この試験をおこなうことにより、将来標準療法となりうる効果的で安全な導入療法を選択できる。


 
結論
難治性悪性リンパ腫である進行期マントル細胞リンパ腫とハイリスクび慢性大細胞性B細胞性リンパ腫に対する初回治療法として、わが国での初期臨床試験・経験に基づくオリジナリティの高い末梢血造血幹細胞移植併用大量化学療法のプロトコールを完成し、臨床試験を開始している。

公開日・更新日

公開日
2009-03-30
更新日
-