切除不能胆道がんに対する治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200824049A
報告書区分
総括
研究課題名
切除不能胆道がんに対する治療法の確立に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-022
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
奥坂 拓志(国立がんセンター中央病院 肝胆膵内科)
研究分担者(所属機関)
  • 宮川 宏之(札幌厚生病院 第2消化器科)
  • 浜本 康夫(栃木県立がんセンター 消化器内科)
  • 藤井 博文(自治医科大学 臨床腫瘍科)
  • 山口 研成(埼玉県立がんセンター 消化器内科)
  • 山口 武人(千葉県がんセンター 消化器内科)
  • 池田 公史(国立がんセンター東病院 肝胆膵内科)
  • 石井 浩(癌研有明病院 消化器内科)
  • 古瀬 純司(杏林大学医学部 内科学腫瘍科)
  • 大川 伸一(神奈川県立がんセンター 消化器内科肝胆膵)
  • 田中 克明(横浜市立大学附属市民総合医療センター)
  • 朴 成和(静岡県立静岡がんセンター 消化器内科)
  • 山雄 健次(愛知県立がんセンター中央病院 消化器内科部)
  • 中森 正二(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 外科)
  • 井岡 達也(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター 検診部消化器検診科)
  • 井口 東郎(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 臨床研究部)
  • 舩越 顕博(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター 消化器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
22,698,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
切除不能胆道がんの予後の改善を目指し新規抗がん剤であるS-1を用いた化学療法の有用性を検討する。
研究方法
(1)S-1単独療法とS-1とゲムシタビンの併用療法のうちより有用性が期待できるレジメンを慎重に選択するため、「進行胆道がんを対象としたゲムシタビン+S-1併用療法とS-1単剤療法のランダム化第II相試験」を開始する。続いて英国でのゲムシタビン単独療法とゲムシタビンとシスプラチンの併用療法の第Ⅲ相試験後に明らかとなる標準治療法との第Ⅲ相試験を計画する。(2)S-1は切除不能胆道がんに対する2次治療薬としての期待も大きく、その有効性と安全性を明らかにするために、「ゲムシタビン耐性胆道がんに対するS-1の第Ⅱ相試験」を実施する。
結果と考察
(1)「進行胆道がんを対象としたゲムシタビン+S-1併用療法とS-1単剤療法のランダム化第II相試験」について:
本試験をJCOG肝胆膵グループの第1号試験として実施するため、肝胆膵グループの組織づくり、参加施設への教育・啓蒙活動を実施した。本研究コンセプトが平成19年7月にJCOGプロトコールレビュー審査会において承認。9月にJCOG運営委員会において承認を得た。本研究事務局とJCOGデータセンターによりプロトコール作成作業が進められ、平成20年9月に一次審査での承認、12月にJCOG プロトコール審査委員会審査承認を得た。ただちに各施設倫理審査委員会での審査申請を行い、平成21年2月4日より登録受付を開始した。3月27日現在10名の登録が行われており、予定(4例/月)を上回る速度で試験が進行中である。

2)「ゲムシタビン耐性胆道がんに対するS-1の第Ⅱ相試験」について:
平成19年6月に第1例目の登録を開始し、平成20年1月までに21例(うち1例不適格)の登録を得た。この時点でプロトコールで予定された中間解析が行われ、1例以上の奏効例が確認できたことからさらに登録が継続された。平成20年9月までに41例目が登録され、登録予定期間2年のところ1年3か月で登録を終了した。現在追跡調査を進めており平成21年9月に追跡終了し、最終結果を解析する予定である。これまでのところ試験中止とすべき重篤な有害反応の報告は得られていない。
結論
本研究の両試験とも順調に進行しており、これらの成果は多くの患者に利益をもたらすことが期待される。

公開日・更新日

公開日
2009-04-07
更新日
-