悪性リンパ腫に対する免疫化学療法の最適化による新たな標準的治療の確立

文献情報

文献番号
200824047A
報告書区分
総括
研究課題名
悪性リンパ腫に対する免疫化学療法の最適化による新たな標準的治療の確立
課題番号
H19-がん臨床・一般-020
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
堀田 知光(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 飛内 賢正(国立がんセンター中央病院)
  • 伊藤 国明(国立がんセンター東病院)
  • 柵木 信男(埼玉県立がんセンター)
  • 谷脇 雅史(京都府立医科大学 )
  • 鈴木 孝世(滋賀県立成人病センター)
  • 石澤 賢一(東北大学病院)
  • 木下 朝博(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 大間知 謙(東海大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
19,445,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は進行期びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対するキメラ型抗CD20抗体リツキシマブ(R)-CHOP療法のRの併用スケジュールの最適化を図り、治癒率およびQOLの高い免疫化学療法を確立することを目的とする。
研究方法
 進行期DLBCLに対する現在の標準治療であるCHOP療法における8コースの各コースにリツキシマブを計8回投与する方法(R-CHOP療法群)を対照に、CHOP療法開始からリツキシマブを週1回連続8回投与する方法(RW+CHOP療法群)の有用性をJCOGリンパ腫グループの多施設共同によるランダム化第II/III相試験(JCOG0601)で検証する。第II相部分の主要エンドポイントは完全奏効(CR)割合、第III相部分の主要エンドポイントは無増悪生存期間(PFS)とする。予定登録例数は第II相部分が68例、第III相部分は各群180例の計360例、登録期間:5年、追跡期間:3年、総研究期間:8年である。
結果と考察
 JCOG0601試験はJCOGリンパ腫グループの多施設共同研究として以下の経過で作業を進めてきた。2007年10月18日に試験実施計画書がJCOG臨床試験審査委員会で承認され、12月4日より患者登録を開始。2008年11月:登録症例数の集積ペースが予定を下回ったため、施設への実態調査を実施(施設IRB承認日より2008年11末までに診療した未治療DLBCL全症例)。収集されたDLBCL 887例中で本プロトコール適格例は63例(7%)であり、最終的に同意取得できたのは25例(3%)であった。この結果を受けて、2009年1月10日の班会議において適格条件を①限局期症例に拡大する、②IPI高リスク群で造血幹細胞移植適応のない患者を含める、③治療前PET検査を必須としない方向でプロトコール改正を行うこととした。2009年2月末現在の登録は39例である。研究成果を早期に社会に還元するためには適格条件の見直しを含めて試験の大幅な進捗を図ることが不可欠と考えられる。
結論
 JCOG0601試験は安全に実施できているが、患者登録が予定集積ペースを下回っている。参加施設の実態調査の結果で 適格例がDLBCLの7%であることが判明した。適格条件を拡大する方向でプロトコールを見直し試験の進捗を図ることとしている。

公開日・更新日

公開日
2009-03-13
更新日
-