限局型小細胞肺がんに対する新たな標準的治療の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200824044A
報告書区分
総括
研究課題名
限局型小細胞肺がんに対する新たな標準的治療の確立に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-017
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
田村 友秀(国立がんセンター中央病院 総合病棟部)
研究分担者(所属機関)
  • 西條 長宏(国立がんセンター東病院)
  • 西脇 裕(国立がんセンター東病院)
  • 森 清志(栃木県立がんセンター)
  • 岡本 浩明(横浜市立市民病院)
  • 野田 和正(神奈川県立がんセンター)
  • 横山 晶(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 樋田 豊明(愛知県がんセンター中央病院)
  • 根来 俊一(兵庫県立がんセンター)
  • 今村 文生(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター)
  • 松井 薫(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター)
  • 中川 和彦(近畿大学医学部 内科学教室腫瘍内科部門)
  • 河原 正明(独立行政法人国立病院機構 近畿中央胸部疾患センター)
  • 木浦 勝行(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
26,190,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
限局型小細胞肺がんを対象に、「エトポシド+シスプラチン(EP)療法1コースと加速多分割胸部放射線療法(AH-TRT)の同時併用(EP/AH-TRT)後の、シスプラチン+ビンクリスチン+ドキソルビシン+エトポシド(CODE)療法とアムルビシン+シスプラチン(AC)療法のランダム化第II相試験」を実施し、新たな標準的治療の確立を目指した次期第III相試験の試験治療群を選択する。
研究方法
(1)EP/AH-TRT後のAC療法の安全性確認試験
まず、ランダム化第II相試験の試験治療のひとつ、EP/TRT後のAC療法の安全性を確認する。6症例で忍容性を評価し、さらに6-15例を追加する。
(2) ランダム化第II相試験
EP/AH-TRT後のCODE療法とAC療法のランダム化第II相試験を全国38施設の共同研究として実施する。主要評価項目はCR(完全奏効)割合とする。対象は、小細胞肺がんの病理学的確定診断のある限局型かつ初回治療例で、70才以下、PS 0-1、測定可能病変を有し、主要臓器機能が保持されたものとする。患者本人の自由意思による文書同意を必須とする。日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)データセンターにおいて中央登録・ランダム割付けを行う。予定症例数は、110例(1群 55例)、集積期間は2年とする。
結果と考察
(1) EP/AH-TRT後のAC療法の安全性確認試験
平成19年8月より症例登録を開始し、6例の安全性を確認、11月までに計11例を登録した。血液毒性、とくに好中球減少が高頻度にみられたが、G-CSFの予防投与などの工夫などにより、耐容可能と判断した。
(2) ランダム化第II相試験
平成20年9月にプロトコールコンセプトをJCOG臨床試験審査委員会に提出、12月のJCOG運営委員会で承認を得た。現在、JCOGプロトコール作成支援機構、データセンターとの共同作業でプロトコールを作成中である。
結論
限局型小細胞肺がんに対する次期第III相試験の試験治療群選択のための、ランダム化第II相試験を計画した。試験治療の安全性を確認し、ランダム化試験の準備を進めている。

公開日・更新日

公開日
2009-04-16
更新日
-