がん医療における医療と介護の連携のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200824038A
報告書区分
総括
研究課題名
がん医療における医療と介護の連携のあり方に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-011
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小松 恒彦(帝京大学 第三内科)
研究分担者(所属機関)
  • 小関 迪(医療法人社団筑波記念会 内科(循環器))
  • 眞鍋 文雄(まなべクリニック 泌尿器科)
  • 中田 善規(帝京大学医療情報システム研究センター 麻酔科)
  • 堀 光雄(茨城県立中央病院茨城県地域がんセンター 臨床検査部血液内科)
  • 米野 琢哉(独立行政法人国立病院機構水戸医療センター 血液内科)
  • 斉藤 秀之(医療法人筑波記念会筑波記念病院 リハビリテーション部)
  • 久保谷 美代子(医療法人筑波記念会つくば訪問看護ステーション)
  • 児玉 有子(東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワーク部門)
  • 井上 範江(佐賀大学医学部看護学科)
  • 鞍馬 正江(筑波記念病院つくば血液病センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
19,672,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
昨年度の成果から、個別の高齢がん患者のおかれている状況調査、がん医療・介護の地域連携の実際、海外において参考にし得る事例や制度の存在、治癒困難となった高齢がん患者の希望する生活、日本での予後も含めた真のinformed consentの成立等の問題の解決が必要。質の高いがん医療・介護の提供には、患者本人が残された時間や金銭をどう希望するかが先で、それに則った医療・介護サービスの具体的な内容と幅広い選択肢、それらの得失が明示された分かりやすい資料を用いて患者と医療・介護者が同じ目線で協調してケアプランを作成することが必要でありそれらの資料や方法を、幅広い知見に基づき作成する。
研究方法
地域連携を視野に電子カルテ上のがん化学療法クリティカルパス作成、海外の高齢者がん医療・介護の調査、医業・介護施設経営者の視点からのがん化学療法、高齢者に負担の少ないがん医療の実践と地域密着型がん医療への試み、乳がん患者におけるリンパ浮腫予防を目的としたセルフドレナージ導入,がんリハビリテーションにおける客観的指標の確立と高齢がん患者における「Wii」を用いたリハビリテーション法確立への試み、訪問看護を受けた高齢血液がん患者の事例研究、がん患者における地域医療連携の研究、外来化学療法で通院している血液がん患者における通院等に関わる実態調査、元気高齢者または特定高齢者に対する介護予防運動の取り組み、がん医療・介護のロードマップとクリティカルパスに関する試案
結果と考察
今年度は、高齢がん患者や家族が真に必要、または希望する医療と介護を提供するために必要な社会的背景や基盤、患者ニーズの網羅的収集を行い解析した。高齢がん患者が最も求めているのは、がん医療と介護の専門家にじっくりと話を聞いてもらい、状況に応じた個別具体的な生活プランを、世の中の状況とは乖離せずに提示されることと推測される。オーダー連動型電子カルテクリティカルパスや地域連携システム等を「手段」として活用し、医療者が患者と向き合える「真の医療」を行える道筋を示す事が、がん医療における医療と介護の連携に必要である。
結論
「高齢がん患者および家族の精神的および身体的な負担が軽減され、適切な医療・介護を受けながら、残された時間を安楽に過ごすことができる」ことを目的とした、がん医療・介護に必要な要件の網羅的な調査を行った。最終年度である次年度は、それらの成果をロードマップやクリティカルパス等の形に現し、がん患者・家族、または医療・介護者にとって有用なツールとして提示することで国民の福祉に還元する。

公開日・更新日

公開日
2009-04-20
更新日
-