たばこ対策による健康増進策の総合的な実施の支援かつ推進に関する研究

文献情報

• 文献番号: 200824037A
• 報告書区分: 総括
• 研究課題名: たばこ対策による健康増進策の総合的な実施の支援かつ推進に関する研究
• 課題番号: H19-がん臨床・一般-010
• 研究年度: 平成20(2008)年度
• 研究代表者(所属機関): 林 謙治(国立保健医療科学院)

研究分担者(所属機関)

• 今井　博久(国立保健医療科学院　疫学部)
• 曽根　智史(国立保健医療科学院　公衆衛生政策部)
• 福田　吉治(山口大学　医学部)
• 武村　真治(国立保健医療科学院　公衆衛生政策部)
• 八幡　裕一郎(国立保健医療科学院　疫学部)
• 堀口　逸子(順天堂大学医学部)
• 岡本　直幸(神奈川県立がんセンター)
• 繁田　正子(京都府立医大医学研究科)
• 埴岡　隆(福岡歯科大学)
• 三浦　秀史(禁煙マラソン、株式会社ＨＡＮＳ)
• 高橋　裕子(奈良女子大学保健管理センター)
• 黒澤　一(東北大学高等教育開発推進センター学生生活支援部保健管理室)
• 細野　助博(中央大学大学院公共政策研究科)
• 松本　安生(神奈川大学人間科学部)
• 柴田　直子(神奈川大学法学部自治行政学科)
• 村上　了太(沖縄国際大学経済学部経済学科)
• 平木　章夫(岡山大学保健管理センター)
• 田中　英夫(愛知県がんセンター研究所疫学・予防部)

• 研究区分: 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
• 研究開始年度: 平成19(2007)年度
• 研究終了予定年度: 平成21(2009)年度
• 研究費: 28,751,000円
• 研究者交替、所属機関変更: -

研究報告書（概要版）

研究目的

地域において実施されているたばこ対策について、事例の分析と評価、たばこ対策の社会的側面を分析し、地域におけるたばこ対策を体系的に推進するための枠組みを提示する。

研究方法

１）地域におけるたばこ対策の状況把握と一般化に関する研究として、全国の複数のフィールドを対象に、たばこ対策を先進事例について情報収集と分析を行った。
２）地域におけるたばこ対策の立案・実施・評価支援に関する研究として、歯科診療所における禁煙指導の推進に向けた実態調査；歯科従事者によるたばこ対策による健康増進策の実施および他職種との連携の支援かつ推進に関する研究；ネットを活用した禁煙支援に関する研究；OTC薬を利用した禁煙支援ネットワーク；地域における検診に付随させた禁煙支援；学会等を用いた禁煙指導推進の講習会のあり方に関する研究を実施した。
３）たばこ対策をめぐる社会的側面に関する研究として、学校敷地内禁煙の実態とその背景要因の検討；ステークホルダーから見た企業の社会的責任として自動販売機の規制の必要性や生業に関わる反禁煙組織との対話の必要性に関する研究；米国における受動喫煙防止政策の背景分析；小中学校の喫煙への対人環境の影響と喫煙教育効果に関する定量的な分析；大学生のたばこに対するリスク認知の研究等を通じた効果的なたばこ対策のあり方；タスポ導入が未成年者の喫煙行動に与える影響について検討した。

結果と考察

１）京都府、和歌山県、奈良県、山口県、沖縄県等の先進的事例についても基本的な情報収集を行い、総括的にまとめ、成功要因と失敗要因を分析し、他の地域への応用と一般化に向けた準備を行った。神奈川県では、WHOによる評価法とPDM手法により各保健所のノウハウの集約作業を行い、たばこ対策の類型化を行った。
２）CDCのたばこ対策マニュアルをもとに、地域におけるたばこ対策の進め方に関するガイドライン（案）の作成を行い、沖縄県と山口県において研修会を開催した。
３）小学校・大学生の調査から、学業成績と喫煙経験との関連性、リスク認知と喫煙との関連性、喫煙開始・継続・禁煙に関連する社会心理的背景が明らかになり、結果をもとにした禁煙促進対策を開始した。タスポによる未成年者喫煙率の短期的減少効果は小さかった。

結論

地域におけるたばこ対策の実態と先進的な事例での成功要因とたばこ対策をめぐる社会的・経済的背景を明らかにし、地域たばこ対策推進手法を試験的に提示した。次年度以降、その効果の評価を通じて、たばこ対策推進のフレームワークの普及を図る。

公開日・更新日

• 公開日: 2009-04-08
• 更新日: -