がん医療の均てん化に資するがん医療に携わる専門的な知識および技能を有する医療従事者の育成に関する研究

文献情報

文献番号
200824028A
報告書区分
総括
研究課題名
がん医療の均てん化に資するがん医療に携わる専門的な知識および技能を有する医療従事者の育成に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
片井 均(国立がんセンター中央病院 総合病棟部、手術室・緩和医療部)
研究分担者(所属機関)
  • 丸山 大(国立がんセンター がん対策情報センター がん対策企画課)
  • 石倉 聡(国立がんセンター がん対策情報センター )
  • 根本 建二(山形大学 医学部)
  • 鹿間 直人(信州大学 医学部)
  • 戸板 孝文(琉球大学 医学部)
  • 大江 裕一郎(国立がんセンター中央病院 腫瘍内科)
  • 勝俣 範之(国立がんセンター中央病院 臨床試験・治療開発部薬物療法室)
  • 篠崎 勝則(県立広島病院 臨床腫瘍科)
  • 大山 優(亀田総合病院 腫瘍内科)
  • 石黒 洋(京都大学大学院 医学研究科)
  • 服部 政治(癌研究会附属有明病院 麻酔科)
  • 細川 豊史(京都府立医科大学 麻酔科)
  • 下山 恵美(帝京大学ちば総合医療センター 麻酔科)
  • 有賀 悦子(帝京大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
22,698,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん医療の均てん化において、薬物、放射線、緩和療法に従事する専門的な医療スタッフの育成は急務であるが、育成システムは十分とは言えない。関連学会等と連携をとりながら、効果的、効率的に、がん専門医およびコメディカル・スタッフを育成することが研究目的である。薬物療法と緩和医療に関しては、関連学会の教育ガイドラインに準じたがん専門医育成マニュアルの作成、また、すべての分野において、がん診療専門施設でのコメディカル・スタッフを含む医療従事者に対する短期集中研修プログラムの試験運用の開始、その効果的かつ効率的な実施方法についても研究する。
研究方法
薬物療法、放射線治療、緩和医療の3方向から、3年計画で目標を達成を目指す。がん専門医育成プログラムの作成、育成プログラムを用いたがん診療専門施設での短期集中グループ研修システムの構築を行う。また、看護部門では、がん看護水準の均てん化を目指した人材育成E-learningプログラムを作成する。併せて、がん専門医としてのプロフェッシヨナリズムを獲得するために、卒後臨床教育体制が整備されている米国メイヨー・クリニックとの相互派遣プログラムを構築し、臨床教育者を育成するための指導者候補の派遣、優れた米国臨床指導医による我が国の医療施設内での臨床教育法の実践指導を行う。
結果と考察
国立がんセンター中央病院では、コメディカル・スタッフを含む医療従事者に対して短期集中研修プログラムの試験運用が開始された。緩和部門では「がん診療に携わる若手医師」を対象とした講習会が開始された。また、メイヨー・クリニックとの指導者相互派遣プログラムは、その具体的実施にこぎつけた。各研究部門でそれぞれが、がん専門医の育成に関わるがん専門医育成マニュアル、プログラム(研修内容確定、教育方法考案、評価法考案)を作成、勘案し、短期研修、セミナー等を積極的に開催するに至った。
結論
がん専門医療従事者の育成制度が確立され、医療従事者を数多く輩出できれば、わが国におけるがん治療の均てん化、ひいては治療成績の向上にも直結できるものと期待される。また、がんに対する薬物療法、放射線治療および終末期緩和医療などを、それぞれを専門とする医師が担当すれば、治療成績の向上およびがん患者のQOLの向上をもたらすのみならず、不適切な医療による医療費の浪費等も減少するものと期待される。

公開日・更新日

公開日
2009-04-16
更新日
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