通院治療・在宅医療等、地域に根ざした医療システムの展開に関する研究

文献情報

文献番号
200824024A
報告書区分
総括
研究課題名
通院治療・在宅医療等、地域に根ざした医療システムの展開に関する研究
課題番号
H18-がん臨床・若手-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
湯地 晃一郎(東京大学医科学研究所 附属病院内科)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 一彦(JR東京病院血液内科)
  • 川越 正平(あおぞら診療所)
  • 小松 恒彦(帝京大学ちば総合医療センター)
  • 田中 祐次(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム)
  • 中村 利仁(北海道大学大学院医学研究科医療システム学分野)
  • 山口 拓洋(東京大学医学部附属病院臨床試験データ管理学)
  • 宮腰 重三郎(東京都老人医療センター血液科)
  • 濱木 珠恵(東京都立墨東病院内科)
  • 児玉 有子(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
9,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、がん患者の在宅治療と通院治療の連携を推進するため、新たなモデルを構築することを目的とする。この目的を達成するために、①居宅におけるがん医療の提供のための連携協力体制の確保につながる、がん患者が希望する在宅医療・通院治療の円滑なモデルの構築②患者、家族向け、医療者向けの円滑な通院治療から在宅医療への移行モデル普及啓発システムの構築について重点的に取り組んでいる。在宅医療の臨床医と病院・通院治療の臨床医が参画し、在宅・病院の両側面から同時に研究できる点は本研究の特徴である。
研究方法
研究3年目は、全国10箇所の在宅医支援診療所における在宅医療調査研究、がん拠点病院における入院・在宅医療連携に関する調査、患者・家族に対する在宅医療に関する意識調査を行った。
結果と考察
病院勤務医、看護師、在宅医、患者家族、患者への調査研究を実施し、円滑な移行モデルの普及のために必要なのはシステムではなく異なった立場の、医療関係者・患者・家族の共通の相互理解とコミュニケーションであることが明らかとなった。共通理解を得るために必要なツールとして、冊子「案ずるより任せるが吉 在宅医療」を刊行し、がん拠点病院に5000部を送付、各種シンポジウムで配布した。全32頁で、がん診療に携わる病院勤務医向けであるが、患者・家族を含めた、全ての人が読んでわかりやすい言葉・絵で説明し、必要十分な情報を厳選したため、冊子を見ながら、患者・家族向けに説明可能な内容とした。共通理解の醸成のため、本研究班結果の在宅医療に対する希望・実態に関する調査結果を図示し、参考ホームページを冊子内容に含めた。項目は、患者の望み、病院という療養環境、患者が希望する在宅看取り、患者相談の必要性、早期準備の必要性、家族の望みなど、である。具体的なモデルとして、分担研究者施設にて、本冊子配布ならびに、症例検討会にて在宅医療移行検討を行ったところ、在宅移行症例の増加がみられた。
結論
がん患者が希望する在宅治療と通院治療を可能にするための調査研究を行い、在宅医療と通院治療の円滑な移行モデルの普及のために必要なのは、システムではなく異なった立場の、医療関係者・患者・家族の共通の相互理解とコミュニケーションであることが明らかとなった。研究成果を踏まえ、共通理解を得るために必要なコミュニケーションツールとして、冊子「案ずるより任せるが吉 在宅医療」を刊行した。

公開日・更新日

公開日
2009-04-16
更新日
-

文献情報

文献番号
200824024B
報告書区分
総合
研究課題名
通院治療・在宅医療等、地域に根ざした医療システムの展開に関する研究
課題番号
H18-がん臨床・若手-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
湯地 晃一郎(東京大学医科学研究所 附属病院内科)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 一彦(JR東京病院血液内科)
  • 川越 正平(あおぞら診療所)
  • 小松 恒彦(帝京大学ちば総合医療センター)
  • 田中 祐次(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門)
  • 中村 利仁(北海道大学大学院医学研究科医療システム学分野)
  • 山口 拓洋(東京大学医学部附属病院臨床試験データ管理学)
  • 宮腰 重三郎(東京都老人医療センター血液科)
  • 濱木 珠恵(東京都立墨東病院内科)
  • 児玉 有子(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
円滑な通院治療から在宅医療への移行モデル構築・検証、在宅・通院治療に関する医療連携システムの構築を目的として研究を行った。
研究方法
(1) 単一診療所における在宅医療の実態調査・転帰研究
千葉県松戸市あおぞら診療所の受診患者115名の死亡関連因子について分析研究を行った。
(2)全国10箇所在宅医支援診療所における在宅医療調査研究
対象医療機関受診患者のうち、死亡、中断等により診療を終了した患者607名を対象に調査研究を行った。
(3)在宅医療に関する意識調査
①病院勤務医師に対する在宅医療への紹介状況、②広く国民に対する在宅医療についての知名度、希望状況、の調査研究を行った。
(4) 血液悪性腫瘍患者に対する在宅化学療法調査研究
悪性リンパ腫患者の在宅化学療法を実施した症例について調査研究を行った。
(5) 病棟勤務医師向けの普及啓発モデル構築研究
病院勤務医師向けの在宅医療導入に関する冊子を作成した。
(6) 患者家族向けの普及啓発モデル構築研究
患者家族向けの冊子を作成した。
結果と考察
病院勤務医、看護師、在宅医、患者家族、患者への調査研究を実施し、円滑な移行モデルの普及のために必要なのはシステムではなく異なった立場の、医療関係者・患者・家族の共通の相互理解とコミュニケーションであることが明らかとなった。
まず、患者・家族向けの冊子「・7ステップでわかる・在宅医療ガイドブック」を作成し、医療機関の地域連携室、在宅療養支援診療所、調剤薬局等に配布した。
次に、病院勤務医師向けの冊子「案ずるより任せるが吉 在宅医療」を作成、がん拠点病院に5000部を送付、各種シンポジウムで配布した。がん診療に携わる病院勤務医向けであるが、全ての人が読んでわかりやすい言葉・絵で説明し、冊子を見ながら、患者・家族向けに説明可能な内容とした。研究班2年目までの研究結果を図示し成果を還元した。具体的なモデルとして、分担研究者のJR東京総合病院にて、本冊子配布及び在宅医療移行症例検討会を行ったところ、在宅移行症例の増加がみられた。
結論
在宅医療と通院治療の円滑な移行モデルの普及のために必要なのは、医療関係者・患者・家族の共通の相互理解とコミュニケーションであることが明らかとなった。共通理解を得るために必要なツールとして、2種類の冊子、「案ずるより任せるが吉 在宅医療」及び「・7ステップでわかる・在宅医療ガイドブック」を刊行した。

公開日・更新日

公開日
2009-04-16
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200824024C

成果

専門的・学術的観点からの成果
病院勤務医師向けの在宅医療導入に関する手引き、「案ずるより任せるが吉 在宅医療」を作成し、がん拠点病院に5000部を送付、各種シンポジウムで配布した。
臨床的観点からの成果
「案ずるより任せるが吉 在宅医療」を作成し、がん拠点病院に5000部を送付後、病院勤務医師より在宅医療の周知・患者啓蒙の観点で冊子が有効だったと報告があった。
ガイドライン等の開発
記載事項なし
その他行政的観点からの成果
記載事項なし
その他のインパクト
記載事項なし

発表件数

原著論文(和文)
5件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
14件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
2件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kodama Y, Yuji K, Komatsu T, et al.
Feasibility and obstacles in home chemotherapy for malignant lymphoma.
Int J Hematol. , 86 (5) , 418-421  (2007)
原著論文2
児玉有子, 湯地晃一郎.
在宅医療という選択肢: 患者さんの退院時のフォローに活用してほしい冊子の紹介.
Medicina , 46 (1) , 169-171  (2009)

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-