レセプトデータダウンロード方式を利用したがん診療施設の医療水準の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200824016A
報告書区分
総括
研究課題名
レセプトデータダウンロード方式を利用したがん診療施設の医療水準の評価に関する研究
課題番号
H18-がん臨床・一般-017
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
石川 ベンジャミン光一(国立がんセンター がん対策情報センター 情報システム管理課)
研究分担者(所属機関)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学)
  • 藤森 研司(北海道大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
7,566,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん医療の均てん化を推進していく上では、がん診療施設の医療水準についての客観的な評価手法が必要となる。本研究では、レセプトデータダウンロード(RDDS)方式を利用したがん診療施設の医療水準の評価方法を確立することを目的として、各種の診療プロセス分析の手法について検討するとともに、RDDS方式による調査結果の高度利用を実現することを目的として、地域内でのがん診療施設の機能や分布、受療動向についての基礎的資料の作成について検討を行った。
研究方法
診療プロセス分析の手法の検討にあたっては、レセプト電算処理用マスタテーブルおよびサンプルデータを含む情報システム環境を構築して開発を行った。また、RDDS方式による調査結果の高度利用に関する検討では、厚生労働省DPC調査からの公表データとDPC地域患者データベースを活用して分析・検討を行った。
結果と考察
診療プロセス分析の手法の検討の結果、化学療法薬剤マスタを更新するとともに、これまでは入院に限られていた分析の範囲を外来E/Fファイルまで拡張した、エピソード単位でのプロセス分析が可能であることを示した。また、RDDS方式による調査結果の高度利用に関する検討の結果、全国1428施設のがん診療実績に関するデータベースを構築するとともに、都道府県単位では著しい診療の集約化が起こっている事例があることを明らかにした。その他、DPC地域患者データベースの分析からは二次医療圏よりもさらに広域の実質的医療圏を想定して、がん診療連携体制を構築する必要性が示された。
結論
がん診療施設の医療水準の評価にあたっては、RDDS方式を利用したデータの利活用を図るとともに、地域レベルで情報を集約化し、各地域の特性に応じた評価を実現することが重要であることが示された。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
-

文献情報

文献番号
200824016B
報告書区分
総合
研究課題名
レセプトデータダウンロード方式を利用したがん診療施設の医療水準の評価に関する研究
課題番号
H18-がん臨床・一般-017
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
石川 ベンジャミン光一(国立がんセンター がん対策情報センター 情報システム管理課)
研究分担者(所属機関)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学)
  • 藤森 研司(北海道大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん医療の均てん化を推進していく上では、がん診療施設の医療水準についての客観的な評価手法が必要となる。本研究では、レセプトデータダウンロード(RDDS)方式を利用したがん診療施設の医療水準の評価方法を確立することを目的として、RDDS方式の普及率、データの収集方法や各種の診療プロセス分析の手法について検討するとともに、RDDS方式による調査結果の高度利用を実現することを目的として、地域内でのがん診療施設の機能や分布、受療動向についての分析の方法論について検討を行った。
研究方法
診療プロセス分析の手法の検討にあたっては、レセプト電算処理用マスタテーブルおよびサンプルデータを含む情報システム環境を構築して開発を行った。また、RDDS方式による調査結果の高度利用に関する検討では、厚生労働省DPC調査からの公表データやDPC地域患者データベース等を活用して分析・検討を行った。
結果と考察
RDDS方式の普及率についての調査の結果、がん診療連携拠点病院の大半を対象とした評価が可能であることが示された。診療プロセス分析の手法の検討の結果、がん化学療法レジメンの分析用薬剤マスタを作成・更新するとともに、入院・外来のE/Fファイルを統合したエピソード単位でのプロセス分析の可能性を明らかにした。また、RDDS方式による調査結果の高度利用に関する検討の結果、全国1428施設のがん診療実績に関するデータベースを構築し、診療の著しい集約化が起こっている事例があること、施設へのアクセスには地域差があることなどを明らかにした。その他、DPC地域患者データベースの分析からは患者の移動と施設の集約化に配慮した実質的医療圏を想定して、がん診療連携体制を構築する必要性が示された。
結論
RDDS方式を利用したがん診療施設の医療水準の評価に貢献する診療プロセス分析の手法が示されるとともに、施設データを地域レベルで集約化し、各地域の特性に応じた評価を実現するための方法論が示された。今後のがん医療の均てん化にあたっては、本研究が示した方法論を用いた継続的な評価システムを構築することが重要であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200824016C

成果

専門的・学術的観点からの成果
レセプトデータダウンロード(RDDS)方式を利用したがん診療施設の医療水準の評価について研究し、診療プロセス分析の手法を開発するとともに、RDDS方式による調査結果を利用した地域内でのがん診療施設の分布、受療動向についての基礎的資料の作成を行った。
臨床的観点からの成果
がん化学療法薬剤の使用実態分析の基礎となる薬剤マスタを作成し、RDDS方式データを利用した化学療法レジメン分析の実現に貢献した。RDDS方式によるデータを利用して、診療プロセスの分析を行うためのデータ処理手順を確立した。地域におけるがん診療の集約化の傾向についての基礎的資料を示した。
ガイドライン等の開発
特になし
その他行政的観点からの成果
RDDS方式による調査結果を利用した地域におけるがん診療施設の分布および受療動向についての基礎的資料は、地域医療計画の立案に際して重要な役割を果たしていくと期待される。
その他のインパクト
RDDS方式を利用した最も規模の大きな調査である厚生労働省保険局DPC調査の公表データを再集計、再構成することにより、全国1428施設のがん診療実績に関するデータベースを構築した。その成果は書籍として出版され、国内で多くの注目を集めている。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-