文献情報
文献番号
200824005A
報告書区分
総括
研究課題名
悪性胸膜中皮腫の病態の把握と診断法、治療法の確立に関する研究
課題番号
H18-がん臨床・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
金子 昌弘(国立がんセンター中央病院 内視鏡部)
研究分担者(所属機関)
- 江口 研二(帝京大学医学部 内科学講座)
- 浅村 尚生(国立がんセンター中央病院 肺科)
- 松野 吉宏(北海道大学病院 病理部・腫瘍病理部)
- 楠本 昌彦(国立がんセンター中央病院 放射線診断部)
- 岸本 卓巳(岡山労災病院)
- 井内 康輝(広島大学大学院 医歯薬学総合研究科病理学)
- 西本 寛(国立がんセンターがん対策情報センター)
- 柿沼 龍太郎(国立がんセンターがん予防・検診研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
113,490,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
今後増加が危惧されている胸膜悪性中皮腫(MPM)に対しての診断治療と、早期発見方法を確立し、一般住民の不安を解消することを目的として研究を行なう。
研究方法
1)MPMに関連する文献の集積と分析を行う。
2)MPMの現状を把握するために、「登録事務局」を設置し、前向きに症例を登録し専門医が分析 し、問診データや予後との関連から評価を行うシステムを構築し運用を開始した。
3)一般住民に対し、X線と低線量CTによる検診と問診を行い対比検討を行った。
4)個施設において診断と治療に関連しての検討行なう。
2)MPMの現状を把握するために、「登録事務局」を設置し、前向きに症例を登録し専門医が分析 し、問診データや予後との関連から評価を行うシステムを構築し運用を開始した。
3)一般住民に対し、X線と低線量CTによる検診と問診を行い対比検討を行った。
4)個施設において診断と治療に関連しての検討行なう。
結果と考察
1)信頼できる研究成果は未だ発表されていない。病期分類について全世界的な標準化が望まれており、本邦からのデータの提供も必要である。
2)全国的な症例登録に関しては、研究期間中に参加を表明したのは65施設、33施設で倫理審査が承認され、26施設から120症例が仮登録され、31例が本登録に進んでいるが、十分な症例を集積することができなかった。永続的な登録のため独立した組織に事業を移行する必要がある。
3)一般住民に関するアスベスト関連疾患の検診に関しては、26施設で約1万例の検診が行われた。6000例の読影で、胸膜肥厚斑に関して、X線に比較しCTの発見率の高いことと職歴との関連が明らかになった。胸膜肥厚斑の認められる受診者に対し長期の経過観察も必要になる。
4)個々の施設においての研究では、各種のマーカーや免疫染色などによる標準的な診断基準の作成、胸膜プラークの発見に関してFDG-PETや他のモダリティーとの関連についての検討が行なわれている。ペメトレキセドの効果については、導入前に比べ平均4ヶ月の延長がみられることも明らかになった。
2)全国的な症例登録に関しては、研究期間中に参加を表明したのは65施設、33施設で倫理審査が承認され、26施設から120症例が仮登録され、31例が本登録に進んでいるが、十分な症例を集積することができなかった。永続的な登録のため独立した組織に事業を移行する必要がある。
3)一般住民に関するアスベスト関連疾患の検診に関しては、26施設で約1万例の検診が行われた。6000例の読影で、胸膜肥厚斑に関して、X線に比較しCTの発見率の高いことと職歴との関連が明らかになった。胸膜肥厚斑の認められる受診者に対し長期の経過観察も必要になる。
4)個々の施設においての研究では、各種のマーカーや免疫染色などによる標準的な診断基準の作成、胸膜プラークの発見に関してFDG-PETや他のモダリティーとの関連についての検討が行なわれている。ペメトレキセドの効果については、導入前に比べ平均4ヶ月の延長がみられることも明らかになった。
結論
1)MPMに関する研究について、国際的な連携が必要である。
2)症例を集積し、標準的な確定診断方法や病期の進行度に応じた治療方法の確立を急ぐ必要があり、そのためには永続的に研究が行える組織を作る必要がある。
3)アスベストの吸入歴を示す胸膜肥厚斑の発見に関して、低線量CTはX線より明らかに優れている。
胸膜肥厚斑の認められた受診者に対して長期の経過観察が必要になる。
4)MPMの組織学的な診断に関して遺伝子的な解析やマーカーの分析が進んでいる。診断に関してはCTやFDG-PETなどの各種のモダリティー使用が必要になる。ペメトレキセドの生存期間延長効果は1施設では認められた。
2)症例を集積し、標準的な確定診断方法や病期の進行度に応じた治療方法の確立を急ぐ必要があり、そのためには永続的に研究が行える組織を作る必要がある。
3)アスベストの吸入歴を示す胸膜肥厚斑の発見に関して、低線量CTはX線より明らかに優れている。
胸膜肥厚斑の認められた受診者に対して長期の経過観察が必要になる。
4)MPMの組織学的な診断に関して遺伝子的な解析やマーカーの分析が進んでいる。診断に関してはCTやFDG-PETなどの各種のモダリティー使用が必要になる。ペメトレキセドの生存期間延長効果は1施設では認められた。
公開日・更新日
公開日
2009-04-16
更新日
-