がん生存者(Cancer survivor)のQOL向上に有効な医療資源の構築研究

文献情報

文献番号
200823046A
報告書区分
総括
研究課題名
がん生存者(Cancer survivor)のQOL向上に有効な医療資源の構築研究
課題番号
H19-3次がん・一般-032
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山口 建(静岡県立静岡がんセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 山下 浩介(医療法人社団北斗 北斗病院)
  • 小林 国彦(埼玉医科大学 国際医療センター)
  • 吉田 美昌(財団法人三重県健康管理事業センター)
  • 堀内 智子(静岡県立静岡がんセンター)
  • 北村 有子(静岡県立静岡がんセンター研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
26,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、がん患者、生存者、その家族のQOL向上に有効な地域医療資源を、診療に関わるもの、在宅療養・医療連携に関わるもの、医療福祉サービスに関わるものに分け、調査方法の確立、情報提供の手法を検討している。医療福祉サービスについては調査を終え、情報提供を開始し、診療、在宅医療・医療連携に関わるものについては、調査項目の検討を進めた。さらに、一元化された地域医療資源の情報提供システムについても検討を進めた。
研究方法
住民あるいはがん患者・家族が、地域で利用可能な医療資源の全体像を把握し、必要な情報を入手するための“地域がん医療資源検索システム”の構築を目指している。そのデータベース構築のために、病院・診療所、歯科診療所、薬局、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所等の地域医療資源項目を患者会、患者支援団体とともに分析を進めた。また、各種医療資源情報を単に羅列するだけではなく、患者の住所等と連動して、近距離に位置する事業所を提示するシステムについて検討を進めた。
結果と考察
がん患者、生存者、その家族のQOL向上に有効な地域医療資源について患者サイドから見た場合のアプローチしやすさを検討した。その結果、①地域の対応機関の詳細、能力などが把握しにくい、②情報提供システムや介護サービス情報などが縦割りで利用しにくい、③地域において在宅ケアを調整する機能が不十分である、などの課題が明らかにされた。
このような状況を改善するために、すでに調査を終えた医療福祉サービスとともに、病院・診療所について約30項目、歯科診療所・薬局について約20項目+独自調査項目、訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所について位置情報等数項目、民間ケア用品や地域包括支援センターに関する情報などを新たに追加し、調査項目を確定した。
さらに、それらの情報を発信する“地域がん医療資源検索システム”について検討を進めた。具体的には、患者の住所を入力することによって、近距離にある病院、診療所、歯科診療所、訪問看護ステーション、薬局、居宅介護支援事業所、在宅療養生活支援情報等が、地図情報とともに提示されるシステムを考えたが、医療相談の担当者からは、その完成を望む声が強かった。
結論
医療福祉サービスとともに、診療や在宅医療に役立つ地域医療資源を明確にすることによって、患者、家族、生存者のQOLの向上が期待される。

公開日・更新日

公開日
2009-04-16
更新日
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