QOL向上のための各種患者支援プログラムの開発に関する研究

文献情報

文献番号
200823045A
報告書区分
総括
研究課題名
QOL向上のための各種患者支援プログラムの開発に関する研究
課題番号
H19-3次がん・一般-031
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
内富 庸介(国立がんセンター東病院臨床開発センター 精神腫瘍学開発部)
研究分担者(所属機関)
  • 下山 直人(国立がんセンター中央病院)
  • 森田 達也(聖隷三方原病院 緩和支持治療科)
  • 明智 龍男(名古屋市立大学大学院 医学研究科)
  • 岡村 仁(広島大学大学院保健学研究科)
  • 小川 朝生(国立がんセンター東病院臨床開発センター精神腫瘍学開発部)
  • 大西 秀樹(埼玉医科大学 国際医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
37,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
終末期のQOL(望ましい生と死)の概念化により明らかとなったQOLの心理・身体・社会・スピリチュアルの各側面に関する評価法、及び介入プログラムを開発する。
研究方法
心理的側面については、①患者の意向調査を踏まえて開発した医師対象のコミュニケーション技術研修プログラムの有効性を検証する。②患者対象の介入として、重要な面談に臨む進行がん患者に対する質問促進パンフレットの有効性を検証する。③がん患者の心理社会的苦痛の軽減を目指した、患者ニードの把握に基づく看護師による介入の有効性を検証する。④薬物療法が難しいがん患者のうつ病に対する新規治療の有効性を検証する。身体的側面については、⑤終末期の患者を対象に起立、歩行、移動に焦点を当てた介入プログラムを作成する。社会的側面については、⑥がん患者の家族及び遺族のQOLの実態に関する調査研究を行い、がん患者の家族や遺族への支援に関する介入法を開発する。スピリチュアルの側面については、⑦終末期の緩和ケアパスを作成し、患者・遺族・専門職を対象にした実態調査の結果をスピリチュアルケアガイドとしてまとめる。
結果と考察
①コミュニケーション技術研修プログラムの無作為化比較試験を実施し、現在データを解析中である。②質問促進パンフレットを開発し、その後無作為化比較試験を行った。③術後補助療法を受けている乳がん患者を対象に看護介入のオープン試験を実施し、高い実施可能性と有用性が推測された。④薬物療法の適応が困難な終末期がん患者の抑うつを対象に、反復経頭蓋磁気刺激法による治療法の有効性を検討する研究計画を作成した。⑤がんリハビリテーションプログラムの骨子を作成し、また終末期がん患者に対するリハビリテーションの効果指標の要素として患者の変化、家族の変化、人的環境の変化が抽出された。⑥遺族外来を受診した29名の患者特性、臨床診断、治療転帰について診療録より調査した。⑦患者の心理・社会・スピリチュアルな要素をアセスメントできる評価方法を作成し、また患者90名を対象としたインタビュー調査を行い患者が助けになると考えているケアの方法を収集した。
結論
QOLの心理・身体・社会・スピリチュアルの各側面に関する評価法、介入法を開発中である。今後は、開発された支援プログラムを体系化し、ガイドラインとあわせてがん患者包括支援システムを構築する。

公開日・更新日

公開日
2009-04-08
更新日
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