診断用機器および診断方法の開発に基づいたがん診断能向上に関する研究

文献情報

文献番号
200823031A
報告書区分
総括
研究課題名
診断用機器および診断方法の開発に基づいたがん診断能向上に関する研究
課題番号
H19-3次がん・一般-017
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
森山 紀之(国立がんセンター がん予防・検診研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 藤井 博史(国立がんセンター 東病院 臨床開発センター)
  • 柿沼 龍太郎(国立がんセンター がん予防・検診研究センター 検診開発研究部)
  • 村松 幸男(国立がんセンター がん予防・検診研究センター 検診開発研究部)
  • 黒木 嘉典(栃木県立がんセンター 画像診断部)
  • 仁木 登(徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部)
  • 松野 吉宏(北海道大学病院 病理部)
  • 井野 彰浩(九州がんセンター 放射線科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
96,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)診断用ME機器の開発を進め,臨床,がん検診における画像診断の向上を目指す2)マルチスライスCT,MRI,PET,消化管内視鏡検査,超音波等を用いた高精度がん検診を実際に行い各種検査方法による診断精度を明らかとする3)臨床画像,病理画像のデーターベース化を行い画像診断の均てん化を進める。患者および患者家族に対して"癒し・憩"の画像データーベースを構築する4)コンピューター支援がん画像診断装置(CAD)の開発とその普及を行う
研究方法
1)大腸がんに対する仮想内視鏡,肺がんに対するトモシンセシス,120マイクロメータ-の解像度を有する拡大CTの開発と臨床臨床症例に対しての撮影実験を行い診断制度の検証を行った 2) 高精度がん検診を実際に施行し各種診断方法によるがん検出率の評価を行った3)典型例,稀な症例,教育的な症例に対し病理および臨床画像を収集しデーターベース化した。患者および家族に対する"癒し・憩"の画像データーベースを構築した4)仮想内視鏡,マンモグラフィ,肺CTに対するCADの開発を行い臨床症例に対し読影実験を行った
結果と考察
1)仮想内視鏡による進行大腸がん,隆起型早期大腸がんに対する検出能は100%であり,トモシンセシスによる肺病変の検出能はCTの1/10の線量で5mm大の病変が発見できともにがん検診への応用が可能と考えられた。拡大CTは通常のCTより優れた診断を有し精査に有用と考えられた2)高精度がん検診によって6,894人中351人(5.1%)に何らかのがんが発見され潜在するがんの多さが確認された 3)臨床画像,病理画像, 癒し・憩の画像データーベースでは計2万画像を超える画像が登録公開された5) 仮想内視鏡,マンモグラフィ,肺CT対するCADの有用性が確認された
結論
1)大腸がんに対する仮想内視鏡は臨床応用で優れた検出能を示し,肺がんに対するトモシンセシスは低線量で小病変の発見が可能であり検診への応用が期待された。拡大CTは小病変の質的診断に優れ病変発見後の精査に有用であった2)高精度のがん検診によって約20人に1人は何らかのがんを有していることが明らかとなり検診への重要性が確認できた3)2万画像を超える臨床,病理,患者および家族向けの画像を データーベース化し公開した4) 仮想内視鏡,マンモグラフィ,肺CTのCADの臨床応用を行い有用性が確認された

公開日・更新日

公開日
2009-04-08
更新日
-