網羅的なゲノム異常解析に基づく多段階発がん過程並びに臨床病態の分子基盤の解明とその臨床応用に関する研究

文献情報

文献番号
200823015A
報告書区分
総括
研究課題名
網羅的なゲノム異常解析に基づく多段階発がん過程並びに臨床病態の分子基盤の解明とその臨床応用に関する研究
課題番号
H19-3次がん・一般-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
横田 淳(国立がんセンター研究所 生物学部)
研究分担者(所属機関)
  • 清野 透(国立がんセンター研究所 ウイルス部)
  • 柴田 龍弘(国立がんセンター研究所 疾病ゲノムセンター)
  • 稲澤 譲治(東京医科歯科大学)
  • 村上 善則(東京大学)
  • 森下 和広(宮崎大学)
  • 小川 誠司(東京大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
96,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、発がんの分子機構及び多様性のあるがんの生物学的特性を、がん細胞内に蓄積しているゲノム異常との対応で把握し、個々のがんに最適な治療法を提供する予知医療の実現に向けて、がんの分子診断や標的療法に有用な新たな情報を集約することである。
研究方法
様々な網羅的ゲノム異常解析技術を駆使して、難治がんを中心とした種々のがんのゲノム異常を解析し、新規のがん遺伝子・がん抑制遺伝子を単離する。正常上皮細胞などを用いた実験系などを用いて、ゲノム異常の生物学的意義を解明するとともに、治療の標的分子やがん特性の制御法を見出す。
結果と考察
新たながん遺伝子・がん抑制遺伝子の候補として、PTPRD、ZEB1/TCF8、NRF2、CBLなどが単離された。生物学的機能解析により、ZEB1/TCF8とTSLC1/CADM1は上皮性腫瘍と血液腫瘍で相反する機能を有することが分かった。細胞の不死化・がん化実験からMYCの発現によってがん幹細胞化が増強することが分かった。
結論
新たながん遺伝子・がん抑制遺伝子が次々と単離されるとともに、ゲノム異常の蓄積によるがん幹細胞化や上皮間葉移行の分子機構が解明されつつある。

公開日・更新日

公開日
2009-04-08
更新日
-