定量的CTを用いた有限要素法による骨強度診断法の実用化に関する研究

文献情報

文献番号
200821070A
報告書区分
総括
研究課題名
定量的CTを用いた有限要素法による骨強度診断法の実用化に関する研究
課題番号
H20-長寿・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
大西 五三男(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科)
研究分担者(所属機関)
  • 伊東 昌子(長崎大学医学部・歯学部附属病院 )
  • 遠藤 直人(新潟大学大学院)
  • 金 憲経((財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 )
  • 杉本 利嗣(島根大学医学部内科学第)
  • 萩野 浩(鳥取大学医学部附属病院)
  • 林 直人(東京大学医学部附属病院)
  • 福永 仁夫(川崎医科大学)
  • 時村 文秋(京都老人医療センター)
  • 井樋 栄二(東北大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
骨強度/骨折リスクの診断法には、簡易性,標準性,実用性,正確性,高再現性,高感度・特異度が求められる。DXAまたはQUSは骨強度との関係が不明であり、感度や再現性にも課題がある。骨強度に関連する多くの要因を考慮し、骨折荷重,骨折部位を非侵襲・高感度・高再現性で診断可能である定量的CTを用いた有限要素法(以下CT/FEM)に着目し、本方法が臨床で有用であることを検証する。
研究方法
主任研究者および各研究分担者の医療機関の新規・継続受診患者のCT/FEMは大腿骨近位部、第2腰椎を対象とする。
1横断研究
当該部位のCTデータからCT/FEMによる骨強度値を計算し一般成人の年齢別・性別の強度値の基準データを取得する。
2ケースコントロール研究
既存・新鮮脊椎骨折を有する患者群、大腿骨頚部新鮮骨折患者群および非骨折患者・受診者のCT/FEMによる骨強度値から骨折発生リスクを予測する。
3前向きコホート研究:骨折発生リスク予測
新規または継続受診中の骨量減少または、原発性骨粗鬆症と診断された患者においてCT/FEMを用い骨折発生リスクを予測していく。
4治療効果判定における有用性の比較検討
新規または継続受診し、新規にビスフォスフォネート、SERMで治療を開始する原発性骨粗鬆症患者に対し、CT/FEMの治療効果判定における有用性を比較検討する。
結果と考察
一般成人の骨強度基準値の取得
検診者のPET/CTデータを用い約500名(男女比2:1)の骨強度解析し、予測骨強度の性別・年齢別基準値作成を開始した。男性で大腿骨近位部の骨強度値の分布に立位条件・転倒条件で年齢に対して減少があり、女性においても同様な傾向があった。女性74名の予測骨折荷重の経年的変化は、年齢の増加とともに立位条件では有意な減少があり、特に40-44の年齢帯と70-74において有意な減少があった。転倒条件でも同様に年齢の増加とともに有意な減少があった。
骨粗鬆症患者、骨折患者の骨強度に関する前向き研究
東京都老人総合研究所・医療センターで、骨粗鬆症患者の骨強度値の取得を開始し、骨折発生を調査する前向きのケースコントロールおよび強度値を指標にした薬剤効果判定に関する前向きコホート研究を開始した.
結論
CT/FEMの臨床応用を開始した。今後、横断的・縦断的研究を継続的に行うことにより、一般成人の年齢別・性別の骨強度値の基準データを取得し、薬物による治療効果判定、骨折予測の感度得意度の
判定に用いていきたい。

公開日・更新日

公開日
2009-05-22
更新日
-