アミロイドイメージングを用いたアルツハイマー病の発症・進展予測法の実用化に関する多施設大規模臨床研究

文献情報

文献番号
200821067A
報告書区分
総括
研究課題名
アミロイドイメージングを用いたアルツハイマー病の発症・進展予測法の実用化に関する多施設大規模臨床研究
課題番号
H20-長寿・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
石井 賢二(財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団 東京都老人総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 石渡 喜一(財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団 東京都老人総合研究所 )
  • 岩坪 威(東京大学大学院 医学系研究科 神経病理学分野)
  • 渡辺 恭良(理化学研究所分子イメージング科学研究センター)
  • 千田 道雄(先端医療センター 分子イメージング研究グループ)
  • 須原 哲也(放射線医学総合研究所 分子イメージングセンター)
  • 田代 学(東北大学サイクロトロン ラジオアイソトープセンター)
  • 加藤 隆司(国立長寿医療センター 長寿脳科学研究部)
  • 尾内 康臣(浜松医科大学 分子イメージング先端研究センター)
  • 塩見 進(大阪市立大学大学院 医学研究科 核医学)
  • 松成 一朗(先端医学薬学研究センター 臨床研究開発部)
  • 百瀬 敏光(東京大学大学院 医学系研究科 核医学分野)
  • 織内 昇(群馬大学大学院 医学研究科 画像核医学)
  • 佐藤 元(東京大学大学院 医学系研究科 公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
23,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
認知症の最大の原因であるアルツハイマー病(AD)の克服に向けて、病態の本質的進展を客観的に示す指標(surrogate marker)として最も期待される、アミロイドイメージングの検査方法を標準化し、ADの発症予測法を確立、実用化する。これにより、AD根本治療薬の治験における評価スタンダードを提供するとともに、治療対象者を早期に抽出し、認知症による要介護者減少のための認知症検診の実用化への道を拓く。
研究方法
本邦で[C-11]PIBおよび[C-11]BF-227とPETによるアミロイドイメージングの臨床研究を実施可能な最大数のPET施設を糾合し、厚労科学・ナノメディシン研究課題による新規製剤開発プロジェクトおよび、厚労省長寿科学・経産省NEDOによるJ-ADNI臨床研究プロジェクトと連携し、そのアミロイドイメージング評価を担い、技術的な支援を行うとともに、本邦で検査可能な最大限の症例数を確保する。世界4極のADNI研究におけるアミロイドイメージング研究と互換性があり、かつ良質のデータを得ることの出来る検査プロトコルを、技術的検討を行った上で策定する。更に、多施設データ収集において、品質管理基準を定めて施設認定と品質保証を実施する。収集したデータに基づき、軽度認知障害におけるアルツハイマー病発症予測法を実用化する。更に、健常者における将来的なAD発症予測法を実用化するために必要な長期間の追跡体制を整える。
結果と考察
平成20年度はJ-ADNIに参加する[C-11]PIB PET実施9施設と[C-11]BF-227 PET実施2施設で研究体制を組織した。標識薬剤合成と品質管理基準を策定し、これに基づき参加施設の施設認定を実施した。次に各施設の撮影装置の性能評価を行い、撮影プロトコルを策定、US-ADNIと互換性を保ちつつ、より高品質の画像を得るため、ダイナミック収集を標準とした独自のプロトコルを策定した。アミロイドイメージングは発症前診断につながる検査であることを配慮し、倫理的検討を行い、被験者に対する結果開示指針を策定した。J-ADNI外でアミロイドイメージングを実施、計画する施設とも連携しプロトコルの普及に努めた。標準化したプロトコルにより、データ収集および解析を開始した。
結論
平成20年度の目標である検査法の標準化を行い、施設認定と品質保証により、多施設臨床研究実施体制が整った。

公開日・更新日

公開日
2009-04-22
更新日
-