文献情報
文献番号
200821061A
報告書区分
総括
研究課題名
胃瘻カテーテル交換における胃内留置の確認に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H19-長寿・一般-033
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 裕(NPO法人PEGドクターズネットワーク)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
17,430,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
胃瘻カテーテル交換における胃内留置確認法であるSky blue法の感度や特異度などを検討することによって本法の有用性を検討する.
研究方法
対象は,胃瘻カテーテル交換患者.研究デザインは多施設共同診断研究.対象は胃瘻カテーテル交換患者で選択・除外基準を満たす患者.除外基準:PEG後1か月未満の患者,胃の手術既往のある患者(内視鏡的な手術は除く),全身状態が安定していない患者,半固形化栄養施行患者,Sky blue法をすでに検討した患者.試験方法は,注入液(A液)インジゴカルミン1/5アンプルと生理食塩水100mlの混和液を,1.すでに留置されている胃瘻カテーテルからA液100mlを胃内に注入,2.通常の方法で胃瘻カテーテルを交換,3.サイフォンの原理で胃瘻カテーテルが胃内の液が自然排出するか確認.4.カテーテルチップで胃瘻カテーテルから胃内の液を採取し,1)胃内液が自然排出するか否か,2)採取した液量を検討.評価基準として1)胃内液量が10ml以上と2)胃内液が自然排出する,のいずれかを満たせば胃内に留置されたと判断.評価は胃内留置の有無を内視鏡で確認し,Sky blue法の判断と比較する.
結果と考察
23施設で対象は784例(平均年齢:78.9±12.1歳,性別:男/女=315/469).誤挿入は4例,Sky blue法にて誤挿入疑いは49例であった.Sensitivity:94%(95%CI:92-95%),Specificity:100%(95%CI:40-100%),Positive Predictive Value:100%(95%CI:99-100%),Negative Predictive Value:8%(95%CI:2-18%)であった.以上よりSky blue法は,技術的に平易で,特別な器材や技術を必要とせず,経費も安価で賄えることができることより,単に一交換確認方法の域に留まらず,医療費の適正使用や社会貢献の一環になる可能性が示唆された.
結論
1.胃ろうカテーテル交換時,スカイブルー法で胃内留置と判断できた場合,ほぼ100%の確率で胃内に留置できていると言える.2.胃ろうカテーテル交換時,スカイブルー法で胃外留置と判断した場合でも,92%以上の確率で胃内に留置できている.3.本研究での誤挿入は784例中4例であった.しかし,この4例ともスカイブルー法で胃外留置と判断されている.すなわちスカイブルー法で胃外留置を100%スクリーニングできたわけである.ただし,胃外留置例がまだ少なく,不確実性を含んでいる点にも留意するべきである.
公開日・更新日
公開日
2009-05-22
更新日
-