サルを用いたアルツハイマー病及び血管性認知症に対するワクチン療法の有効性、安全性の評価

文献情報

文献番号
200821051A
報告書区分
総括
研究課題名
サルを用いたアルツハイマー病及び血管性認知症に対するワクチン療法の有効性、安全性の評価
課題番号
H19-長寿・一般-022
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
田平 武(順天堂大学大学院)
研究分担者(所属機関)
  • 脇田英明(国立長寿医療センター研究所)
  • 冨本秀和(三重大学大学院)
  • 関山敦生(国立長寿医療センター研究所)
  • 籏野健太郎(国立長寿医療センター研究所)
  • 中村紳一朗(滋賀医科大学動物生命科学研究センター)
  • 井上 誠(ディナベック株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
13,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)アルツハイマー病のワクチン開発
老齢サルを用いてAbetaワクチンの効果判定にPIB/PETを用いた効果判定が有用かどうかを調べる。

2)血管性認知症のワクチン開発
サルを用いた脳虚血、微小脳梗塞のモデルを作製し、接着分子E-selectinを標的とするワクチン療法を開発する。
研究方法
1)20歳以上のカニクイザルにPIB/PETを施行し、若齢サルと比較する。SeV/Abetaワクチンを経口投与し、PIBの脳内集積を投与前と比較する。

2)X線透視下セルジンガー法により50 ミクロンのマイクロビーズを頸動脈に注入し、MRIで観察するとともに、記憶機能の評価を行う。
   
(倫理面への配慮)
本研究は所属研究機関の各専門委員会の承認を受けて行った。必要に応じて遺伝子情報を提供した。
結果と考察
1)老齢カニクイザルでは若齢ザルに比しPIBの脳内集積が有意に高く、SeV/Abetaワクチンの経口投与によりPIBの脳内集積は低下した。超高齢サルでは神経原線維変化もみられることが分かった。

2)サルの頸動脈に2,250個のマイクロビーズを2回注入することで、持続性記憶機能低下を示す血管性認知症のモデル動物の作成に成功した。

考察
 1)この方法を用いることによりワクチンの効果判定が短期間にかつ客観的にできると期待される。 
 2)血管性認知症のモデルをサルで作成することに成功したので、今後ワクチンの評価に応用可能である。

結論
1)老齢カニクイザルではPIBの脳内集積が高く、これはSeVワクチンの経口投与で低下する傾向を示した。

2)血管性認知症のサルモデル作成にに成功した。

公開日・更新日

公開日
2009-04-22
更新日
-