入院医療と在宅ケアのあり方に関する調査研究

文献情報

文献番号
200821048A
報告書区分
総括
研究課題名
入院医療と在宅ケアのあり方に関する調査研究
課題番号
H19-長寿・一般-019
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
加知 輝彦(国立長寿医療センター 病院)
研究分担者(所属機関)
  • 鷲見 幸彦(国立長寿医療センター 病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国が超高齢社会を迎えつつある中で、障害を持ったまま家族で過ごし、家庭を看取りの場とすることを希望する高齢者も多数存在する。それに対し、現在では在宅死が死亡全体の10%台に留まっている。一方、近年行われている療養病床の再編等により、在宅医療の充実が求められている。
本研究は、国民の希望する在宅医療を実現するため、現状を分析、検証し、新しいモデル医療を展開する基礎を作ることを目的とする。
研究方法
在宅療養支援診療所として登録されている全国の全10,761診療所を対象に、実情と相互連携、研修の可能性等について郵送によるアンケート調査を行った。調査期間は平成20年1月から6がるまでの6か月間とし、一部、7月1か月の実績も調査した。
結果と考察
1.診療所の形態
 今回の調査では、この質問への回答数2,597件のうち449件(17.3%)が有床、2,148件(92.7%)が無床であった。また、常勤医師数は1人が2,037件(78.2%)と多数であった。

2.月間訪問診療患者数
 2008年7月中の訪問診療患者数を尋ねたものであるが、1~9人が回答数2,552件中804件(31.6%)、10~19人が494件(19.4%)と、この両者で半数を占めたが、50名以上を訪問した診療所が434件あった。一方、1名も訪問診療を行わなかった診療所も206件(8.1%)あった。

3.月間往診回数
 2008年1月から6月までの緊急往診の月平均回数について尋ねた。
 回答は2,575件あり、1回以上5回未満が1,331件と過半数を占めた。また、20回以上の緊急往診を行っていた診療所が111件(4.3%)ある一方、全く往診を行わなかった診療所が659件(25.6%)あった。
 そのうち、時間外に往診を行った回数を尋ねたところ、2,531件の回答のうち1,245件(49.2%)が1回以上5回未満と約半数あった。20回以上の時間外往診を行った診療所が74件(2.9%)あったが、0回と答えた診療所は1,063件(42.0%)にのぼった。

4.看取り
2006年1月から6月までに在宅で看取った患者数を尋ねた。
回答は2,558件あり、1~4人が1,148件(44.9%)、5~9人が166件(6.5%)とこの両者で半数あったが、在宅での看取りが1件もなかった診療所が1,179件(45.1%)あった。
結論
現時点における在宅医療は、まだ個々の努力に支えられている側面が強く、今後、在宅療養支援診療所連絡会等の活動を中心に、お互いの連携を強め、より組織的に行う必要があると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2017-10-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-11-17
更新日
-