複数の訪問看護ステーションによる地域単位の24時間訪問介護・看護の効果的・効率的な実施方法の開発研究

文献情報

文献番号
200821044A
報告書区分
総括
研究課題名
複数の訪問看護ステーションによる地域単位の24時間訪問介護・看護の効果的・効率的な実施方法の開発研究
課題番号
H19-長寿・一般-015
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
村嶋 幸代(東京大学 大学院医学系研究科(地域看護学分野))
研究分担者(所属機関)
  • 永田 智子(東京大学 大学院医学系研究科(地域看護学分野) )
  • 田口 敦子(東京大学 大学院医学系研究科(地域看護学分野) )
  • 有本 梓(東京大学 大学院医学系研究科(地域看護学分野) )
  • 山田 雅子(聖路加看護大学 看護実践開発研究センター)
  • 田上 豊((株)三菱総合研究所 人間・生活研究本部 )
  • 福田 敬(東京大学 大学院医学系研究科(臨床疫学・経済学))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
8,940,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究事業では、複数の訪問看護ステーション(以下、STとする)の連合体制による夜間・早朝の訪問看護提供システムの構築およびその方法論の明確化、複数STの連合体制による夜間・早朝の訪問介護・看護提供の効果の明確化、地域を単位とした24時間ケアシステム構築とその評価を目的に、モデル事業を実施した。
研究方法
1)A県A地域の複数の訪問看護事業所連携における効果的・効率的な実施方法の開発
連合体制の定着化を図るため、引き続きモニタリングを行った。
2)B県における24時間訪問看護体制の構築
県の事業として行政保健師が、①地域の在宅医療の推進、②24時間の訪問看護体制の構築を目的にモデル事業を実施した。研究者は、主に知識および情報の提供、評価に関わった。モデル地域は4カ所の保健所の管轄地域であり、在宅医療体制を整備するため保健所が「地域在宅医療支援センター」を立ち上げた。同時に各保健所管轄地域の24時間の訪問看護体制の構築に向けて、STを対象に夜間・早朝の訪問看護必要者を把握した。
結果と考察
1)A県A地域の複数の訪問看護事業所連携における効果的・効率的な実施方法の開発
複数のSTが連合して訪問看護・介護を提供するモデル事業の終了後も、計画的な夜間・早朝の訪問看護を提供する体制は維持され、必要時、他STの夜間・早朝の訪問看護の必要者にも提供していた。また、A地域のST管理者と研究者で2か月に1回のワーキング会議を継続した。そこでは、連合体制を維持する必要性が共有され、今後も体制を維持していくこととなった。
2)B県における24時間訪問看護体制の構築
保健所は、主として在宅医療を提供する診療所、ST、病院に出向き、看取りの実施状況、他機関との連携状況、等について把握し地域の課題を整理した。また、病院、診療所、ST、居宅介護支援事業所、薬局、等をメンバーとした地域在宅医療推進協議会を設置し、在宅医療を推進する上での課題を共有し顔の見える関係作りを行った。
STにおいては、夜間・早朝帯の訪問看護ニーズに応じることができた1カ所を中心にニーズ把握を行ったところ、夜間に訪問看護が必要な利用者は、疼痛管理が必要ながんターミナル、吸引が必要な難病患者、等であった。
結論
新たにB県で、行政が中心となり24時間訪問看護体制を構築するモデル事業を実施した。行政は地域の在宅医療関係機関に公平な立場で関われるため、効果的・効率的に24時間訪問看護体制を構築できると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2017-10-03
更新日
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