医薬品等化学物質の急性毒性の評価方法の国際比較に関する研究

文献情報

文献番号
199700466A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品等化学物質の急性毒性の評価方法の国際比較に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
高江洲 義矩(東京歯科大学)
研究分担者(所属機関)
  • 小野宏(食品薬品安全センター)
  • 香川順(東京女子医科大学)
  • 高月峰夫(化学品検査協会)
  • 山中すみへ(東京歯科大学)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 薬物療法等有用性向上推進研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品をはじめとする多くの化学物質が広く国際的に流通しており、これらを安全に取り扱うためには、その化学物質の毒性を適正に評価・分類する必要がある。国際的には、動物愛護の観点に基づき、新しい毒性評価のガイドラインが提案されており、OECDや国連,ILO等でハーモナイゼーション(整合化)が図られている。そこで本研究では、従来からの研究班の成果を踏まえ、国連やOECDなどの国際的動向を把握するとともに、反応性有害物質をリストアップし、さらに現在の毒物及び劇物取締法で指定されている毒物・劇物について国連の危険物質と対応させ比較検討することによって、我が国の毒物及び劇物取締法を整備することを目的とした。
研究方法
本研究は、化学物質の毒性評価・分類に関する文献照会や国際的動向についての情報を収集するとともに、我が国の「毒物及び劇物取締法」の整備のために、反応性の有害物質をリストアップし、さらに国連の危険物質のリストと毒劇法指定との対応を比較検討した。
結果と考察
国際的には、国連が健康及び環境有害性物質に加えて"Physical hazard"の評価・分類について検討を始めたことや、OECDでは従来の経口急性毒性試験法(No.401)の廃止の方向、さらに5クラス分類の方向性が提示され、2000年に向けて国際的ハーモナイゼーションが進んでいることを示した。また、反応性の有害物質を生成しやすい化学物質のデータベースを作成できたので、今後緊急時の事故に有効に利用できるものと考えられた。さらに国連の「Dangerous Goods」のクラス6-1(毒物)や、クラス8(腐食性物質)、クラス2-3(有毒ガス)をリストアップするとともに、我が国の毒物・劇物の指定との対応を比較検討したところ、毒物では422物質がリストアップされ、これらの7割が我が国の毒物・劇物に指定されていなかった。
結論
これら未指定の化学物質については、我が国における流通状況を早急に把握し、また、毒物情報を収集することによって、毒物・劇物指定の必要性を検討することが望まれる。今後もさらに、国連やOECDなどの国際的動向を把握して、我が国の毒物・劇物取締法と比較検討して、国際的ハーモナイゼーションとともに毒劇法を整備していく必要がある。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

研究報告書(紙媒体)