NDDPX08の筋萎縮性側索硬化症に対する医師主導臨床研究

文献情報

文献番号
200818033A
報告書区分
総括
研究課題名
NDDPX08の筋萎縮性側索硬化症に対する医師主導臨床研究
課題番号
H20-臨床研究・一般-014
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
池田 穰衛(東海大学 医学部・基礎医学系)
研究分担者(所属機関)
  • 吉井 文均(東海大学 医学部・内科学系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は上位と下位の運動神経の変性脱落を特徴とする原因不明の難治性運動神経変性疾患であり、その治療法は未だ確立していない。ALS治療薬の開発はALS患者とその家族の肉体的、精神的、経済的負担を取り除き、生活の質の向上と医療保険費の軽減に大きく貢献するものである。
本臨床研究では既存医薬化合物NDDPX08を孤発性および家族性のALS患者に投与して、臨床効果を検証し、ALS治療薬の早期開発を目的としている。
尚、NDDPX08は疾患治療薬として現在臨床で使用されており、ALS患者の方々への倫理的配慮と安全性確保ならびに知財保護等の観点からコードネーム(NDDPX08)を使用する。
研究方法
本臨床研究は64-90週間を計画し、多医療施設において偽薬対照を含むALS患者50名を対象とするリルゾール併用二重盲検試験を行なう。臨床治験に準拠した臨床研究プロトコールと臨床研究コーディネーター(CRC)によるモニタリングを導入する。多施設連携CRC事務部を本臨床研究事務局(東海大学)に設置する。臨床研究期間の各段階において、有効性並びに安全性を評価する。本臨床研究の督励と薬剤有効性の判定を目的として、外部評価委員会「ALS治療計画評価委員会」を設置する。
結果と考察
初年度は臨床研究プロトコールを作成し、臨床研究審査委員会の承認を得た。多施設(東海大学、北里大学、東邦大学)との共同研究実施体制を構築した。ALS治療計画評価委員会を設置した。被験者への説明・同意文書ならびにALS臨床研究に係る記録書類一式を作成した。臨床研究薬剤 NDDPX08(16.7万錠、同一ロット)を調達、実・偽薬の調剤法と盲検試験プロトコールを作成した。平成21年1月開始、2月時点で2名の被験者が仮登録観察期間にある。
現在、ALS治療にはリルゾールが使用されているが、わずかな延命効果をもたらすのみである。我々はこれまでにNDDPX08について、in vitro(酸化ストレス性神経細胞死の選択的な抑制)とin vivo(ALSモデルマウスの発症後投与での顕著な症状改善と運動神経細胞保護効果)など、新規の薬理活性を明らかにしている。NDDPX08は孤発性および家族性ALSにおける有用な治療薬となる可能性がある。
結論
初年度(平成20年12月-平成21年3月)は本臨床研究遂行に必要な研究手順と体制の構築を完了した。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-