電子媒体を利用した医薬品安全性情報の国際的収集・伝達システムの研究

文献情報

文献番号
199700465A
報告書区分
総括
研究課題名
電子媒体を利用した医薬品安全性情報の国際的収集・伝達システムの研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
開原 成允(国立大蔵病院)
研究分担者(所属機関)
  • 黒田重臣(国立大蔵病院)
  • 岡田美保子(医療情報システム開発センター)
  • 木内貴弘(東京大学医学部)
  • 大原信(国立大蔵病院)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 薬物療法等有用性向上推進研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
電子媒体を利用した情報交換は、即時性および正確性において、従来の方法よりも優れていると考えられる。電子媒体を利用することによって、国際的な医薬品に関する情報の交換を従来の方法よりも迅速かつ正確に行なえるようになる。本研究は、このような電子媒体による情報交換を可能とするための基本的知見を集積し、技術を確立し、最終的には薬務行政に応用することを目的とする。本研究は、現在進行中の日・米・欧間の医薬品行政のハーモナイゼーションの一環として位置づけられるものである。本年度は、平成8年度に行われた研究成果に基づいて、安定した電子的伝送・収集システムを構築すると共に、定常的な運用へ至るための問題の解決をはかる。
研究方法
ICH E2Bによる副作用報告項目定義を分析し、副作用報告の電子的データ交換(Electronic Data Interchange: EDI)のための書式、EDIヘッダーなど、具体的な実施方法を確立する。また、日米欧の間で本格的な副作用報告の電子的交換を開始するにあたり、公開鍵の管理方式を中心としたセキュリティの問題について各国の実状を調査し、検討する。さらに、現在開発計画が進められている国内の副作用情報システムについて、ICH標準との整合性を検討し、調整をはかる。
結果と考察
ICH E2Bガイドラインに基づいて、副作用報告のデータ構造、各項目の属性など技術的詳細を定め、副作用報告電子交換書式としてSGML DTDを定義し、EDI処理要求を分析してEDIヘッダーを定義した。技術資料一式はICH M2公式ホームページに公開されており、一部は日本語に翻訳して公開している。また、国立病院間ネットワークHOSPnetに基づいた副作用報告システム開発計画について、副作用報告の項目、交換書式、用語など、ICH標準との整合性を検討した。国内の副作用報告システムとICH標準では、副作用報告の項目に不一致があり、対応を具体的に検討する必要がある。用語についてはICH M1により開発されたMedDRAの日本語化が進められているが、まだ公開されていない。今後ICHとの整合性の問題と合わせて、国内における用語の標準を検討する必要がある。また、日米欧間で副作用の電子的交換を実施する場合、公開鍵の管理方式など、未解決の課題が残っており、安定した運営に向けて解決策をさらに検討しなければならない。
結論
電子媒体による副作用情報の伝達・収集のため、副作用報告電子交換書式をはじめとする各種の電子的標準を確立し、日米欧の間で本格的な副作用報告の交換を実施するための技術的準備を整えた。今後、国内副作用情報システムとの連携、オープンネットワークを利用した国際的電子交換におけるセキュリテイなど、安定した運用へ至るための諸問題の解決をはかることが必要である。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)