小児悪性固形腫瘍領域における体系的な臨床試験実施に基づく適応外医薬品の臨床導入の妥当性検討に関する研究

文献情報

文献番号
200818028A
報告書区分
総括
研究課題名
小児悪性固形腫瘍領域における体系的な臨床試験実施に基づく適応外医薬品の臨床導入の妥当性検討に関する研究
課題番号
H20-臨床研究・一般-009
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
牧本 敦(国立がんセンター中央病院 第二領域外来部 小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 原 純一(大阪市立総合医療センター 小児血液腫瘍科)
  • 大喜多 肇(国立成育医療センター研究所 発生分化研究部)
  • 森川 康英(慶應義塾大学医学部 小児外科)
  • 麦島 秀雄(日本大学医学部 小児科学系 小児科学)
  • 福澤 正洋(大阪大学大学院医学系研究科外科学講座小児成育外科)
  • 檜山 英三(広島大学自然科学研究支援開発センター)
  • 金子 道夫(筑波大学人間総合科学研究科病態制御医学小児外科)
  • 正木 英一(国立成育医療センター 放射線診療部)
  • 森田 智視(横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター臨床統計学・疫学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
57,769,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
小児悪性固形腫瘍(以下、小児がん)領域において、治療上特に問題になる再発腫瘍患者を対象に、適応外薬剤を含む新規併用化学療法の臨床試験を体系的に実施することによって、臨床導入の妥当性を検討する。
研究方法
1. 小児固形がん臨床試験共同機構により、治療開発動向の調査研究や薬事行政への提言を行う。
2. 適応外薬剤を含む臨床試験①②を実施する。
①再発小児固形腫瘍に対する低侵襲性外来治療としてのビノレルビン+シクロホスファミド対テモゾロミド+エトポシドランダム化第II相臨床試験
②転移性小児固形腫瘍に対する大量化学療法を含む集学的治療法の第II相臨床試験
3. 新規薬剤のスクリーニング法としてIn-house臨床試験システムを考案し、臨床試験③④を計画した。
③再発小児がんに対するgefitinib、irinotecan併用療法のpilot試験
④難治性/再発小児がんを対象としたbevacizumab + irinotecan併用療法の実行可能性試験
4. 二つの臨床試験⑤⑥を継続した。
⑤進行性・転移性横紋筋肉腫に対する自家末梢血幹細胞救援療法を併用した大量化学療法の第II相臨床試験
⑥限局性ユーイング肉腫に対する標準的治療の第II相臨床試験
結果と考察
1. 機構内での調査内容に関しては、総括分担研究報告書を参照。
2. 臨床試験①では臨床試験実施計画書を作成し、間もなく試験開始予定である。臨床試験②の計画について、日米で研究者間の打合せを進めている。
3. 臨床試験③④に関しては、それぞれ単施設臨床試験として準備し、一部実施している。
4. 臨床試験⑤は2008年10月に合計37例の登録で登録終了。臨床試験⑥は2007年年5月に53例にて登録終了。
本研究の骨子は、治療を評価して最適化するための臨床試験を、体系的・効率的に推進する事であるが、単なる臨床試験の遂行に留まらず、その結果の医療機関と行政への二方向への反映を前提とする。
結論
臨床試験実施主体のネットワークである小児固形がん臨床試験共同機構の整備を行い、それぞれの疾患グループにおける治療開発方針を分担研究としてまとめると同時に、適応外薬剤を含む新規併用化学療法の臨床導入の妥当性を検討するための臨床試験を体系的に計画した。

公開日・更新日

公開日
2009-11-10
更新日
-