文献情報
文献番号
200818020A
報告書区分
総括
研究課題名
成人T細胞白血病リンパ腫に対するインターフェロンαとジドブジン併用療法の開発研究
課題番号
H20-臨床研究・一般-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
塚崎 邦弘(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 附属原爆後障害医療研究施設 分子医療部門分子治療研究分野(原研内科))
研究分担者(所属機関)
- 瀬戸 加大(愛知県がんセンター研究所)
- 鈴宮 淳司(福岡大学)
- 大島 孝一(久留米大学)
- 鵜池 直邦(九州がんセンター)
- 宇都宮 與(慈愛会今村病院分院)
- 飛内 賢正(国立がんセンターtっ有病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
9,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
インターフェロンαとジドブジン(IFN/AZT)併用療法の有用性を成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)の臨床・分子病態に基づいて検証し、その層別化治療への応用を目指すため、臨床試験のプロトコールを作成する。
研究方法
1)臨床試験プロトコールの立案
IFN/AZT療法レジメン、適格規準、効果判定規準、試験デザインと必要症例数/登録・追跡期間の設定は、既報により研究者でと協議し、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)のリンパ腫班会議で決定した。
2)プライマリーATL細胞を用いた分子病態の解析
3)ATL患者の臨床病態調査
4)ATL診療の国際的合意形成
IFN/AZT療法レジメン、適格規準、効果判定規準、試験デザインと必要症例数/登録・追跡期間の設定は、既報により研究者でと協議し、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)のリンパ腫班会議で決定した。
2)プライマリーATL細胞を用いた分子病態の解析
3)ATL患者の臨床病態調査
4)ATL診療の国際的合意形成
結果と考察
結果:
1)以下の合意を得た。対象は、15歳以上、75歳未満の未治療ATLで、全身状態と主要臓器機能が保たれており、文書同意を取得したindolent ATL患者。治療内容は、スミフェロンDS 600万単位/レトロビル600mg。奏効が12週以上持続すれば、両薬剤とも50%に減量する。Historical controlの2年生存割合65%を閾値とし、試験治療の期待値を80%とした場合、必要症例数は54例となる。登録3年、追跡2年、総研究期間5年とした。
2)ATL急性型のsubtypeごとにCD4細胞を精製し、予備的に検討したところ、末梢血中腫瘍細胞はリンパ節病変と共通するゲノム異常を持っていた。
3)登録されたATL1237例のデータの確認作業中であり、追加症例の集積後に解析する。
4)ATLに対する治療法の選択を臨床病型、他の予後因子、初期治療効果を組み合わせて行うための推奨される戦略とその効果判定規準を作成した。
考察:立案した第II相試験は、患者発生が多く臨床試験実施体制の整った日本でしかできない研究である。本臨床試験は、新たに設けられた高度医療評価制度に基づいてJCOGで実施する。今後3)、4)の解析をさらに進め、本臨床試験の有用性につきATLの臨床・分子病態に基づいて検証し、その層別化治療への応用を目指す。
1)以下の合意を得た。対象は、15歳以上、75歳未満の未治療ATLで、全身状態と主要臓器機能が保たれており、文書同意を取得したindolent ATL患者。治療内容は、スミフェロンDS 600万単位/レトロビル600mg。奏効が12週以上持続すれば、両薬剤とも50%に減量する。Historical controlの2年生存割合65%を閾値とし、試験治療の期待値を80%とした場合、必要症例数は54例となる。登録3年、追跡2年、総研究期間5年とした。
2)ATL急性型のsubtypeごとにCD4細胞を精製し、予備的に検討したところ、末梢血中腫瘍細胞はリンパ節病変と共通するゲノム異常を持っていた。
3)登録されたATL1237例のデータの確認作業中であり、追加症例の集積後に解析する。
4)ATLに対する治療法の選択を臨床病型、他の予後因子、初期治療効果を組み合わせて行うための推奨される戦略とその効果判定規準を作成した。
考察:立案した第II相試験は、患者発生が多く臨床試験実施体制の整った日本でしかできない研究である。本臨床試験は、新たに設けられた高度医療評価制度に基づいてJCOGで実施する。今後3)、4)の解析をさらに進め、本臨床試験の有用性につきATLの臨床・分子病態に基づいて検証し、その層別化治療への応用を目指す。
結論
欧米で汎用され、ATL診療の国際的合意で推奨されたIFN/AZT 併用療法の国内indolent ATL患者に対する有用性を検証する第II相試験を実施すべく、JCOG, 厚生労働省、製薬企業などと検討を積み重ねるとともに、本試験の有用性を臨床・分子病態に基づいて解析するための予備的調査・実験を準備した。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-