高悪性度骨軟部腫瘍に対するカフェイン併用化学療法の臨床使用確認試験

文献情報

文献番号
200818019A
報告書区分
総括
研究課題名
高悪性度骨軟部腫瘍に対するカフェイン併用化学療法の臨床使用確認試験
課題番号
H19-臨床試験・一般-024
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
土屋 弘行(金沢大学 大学院医学系研究科・医薬保健研究域医学系 がん医科学専攻機能再建学)
研究分担者(所属機関)
  • 白井寿治(金沢大学 大学院医学系研究科・医薬保健研究域医学系 がん医科学専攻機能再建学 )
  • 林 克洋(金沢大学 大学院医学系研究科・医薬保健研究域医学系 がん医科学専攻機能再建学 )
  • 全 陽(金沢大学付属病院 病理部)
  • 田地野崇宏(福島県立医科大学付属病院 整形外科)
  • 帖佐悦男(宮崎大学 整形外科)
  • 坂山憲史(愛媛大学 整形外科)
  • 家口 尚(淀川キリスト教病院)
  • 折笠秀樹(富山大学大学院医学薬学研究部バイオ統計学・臨床疫学)
  • 赤澤宏平(新潟大学医歯学総合病院 医療情報部)
  • 武内章彦(金沢大学 大学院医学系研究科・医薬保健研究域医学系 がん医科学専攻機能再建学 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
四肢原発の切除可能な高悪性度骨軟部腫瘍に対して、術前・術後にカフェイン併用化学療法を施行する治療レジメンの有効性と安全性を他施設共同研究により確認する。
研究方法
多施設共同で行う第Ⅱ相臨床試験であり、Primary endpointは術前化学療法の奏効割合、
Secondary endpointは2年無増悪生存割合、無病生存期間、全生存期間、有害事象発生割合である。データセンターによる中央登録後に治療を開始する。
結果と考察
平成20年度末までの症例登録状況は、骨腫瘍20例、軟部腫瘍が16例登録されている。不適格症例が骨腫瘍で2例あり、発生部位と組織型の不適格であり、軟部腫瘍では1例が組織型で不適格となった。骨腫瘍は男性12例、女性6例、軟部腫瘍は男性13例、女性6例であった。治療プロトコールが腫瘍し、経過報告が提出されたのが骨腫瘍8例、軟部腫瘍7例であり、軟部腫瘍の2例で中止(他の治療への変更、毒性以外の理由で患者がプロトコール治療の中止を申し出た)があった。組織型は骨腫瘍は骨肉腫8例であり、軟部腫瘍では、滑筋肉腫4例、滑膜肉腫、淡明細胞肉腫、骨外性骨肉腫、未分化肉腫、横紋筋肉腫が各1例であった。AJCCのステージは骨腫瘍でstageIIIが5例、stageIVが3例、軟部腫瘍はstageIIIが7例であった。術前画像効果判定は、骨腫瘍で2例NC、3例PR、3例CRであり、有効率は6/8であり、軟部腫瘍では1例NC、6例PR、であり、有効率は6/7であった。組織学的効果は骨腫瘍でgrade1が2例、grade2が3例、grade3が3例で有効率は6/8、軟部腫瘍ではgrade0が1例、grade1が2例、grade2が4例で、有効率は4/7であった。安全性の評価で、治療関連死はなく、最終治療から30日以内または治療中の死亡もなかった。有害事象(CTCAE v3.0 日本語訳JCOG/JSCO版)の経過報告提出15症例で、血液毒性はgrade4がみられたが、それ以外の有害事象でgrade4はみられなかった。電解質の異常でgrade3がみられたが、すみやかに改善した。その他grade3の異常は、血清CPK、嘔吐、末梢神経障害、発熱性好中球減少が少数にみられた。
結論
本研究は、2009年3月末現在試験実施中であり、まだ結論は得られていない。安全に運用中である。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-