文献情報
文献番号
200818012A
報告書区分
総括
研究課題名
内視鏡下頸部良性腫瘍摘出術
課題番号
H19-臨床試験・一般-017
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
田中 雅夫(国立大学法人九州大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
- 清水 一雄(日本医科大学外科学講座)
- 若林 剛(岩手医科大学外科学講座 )
- 佐田 尚宏(自治医科大学鏡視下手術部)
- 土井原 博義(岡山大学乳腺・甲状腺)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
内視鏡下頸部良性腫瘍摘出術とは内視鏡を用いて、頸部良性腫瘍の切除を行なう方法であり従来法に比し明らかに整容性に優れている。本研究の目的は現在、先進医療として行なわれている内視鏡下頸部良性腫瘍摘出術の手術手技を確立すること、術中術後経過、合併症等を検討しその有用性、安全性を確認することである。
研究方法
甲状腺良性腫瘍、原発性上皮小体機能亢進症を適応症としインフォームドコンセントを取得した上で、本内視鏡下頸部良性腫瘍摘出術を施行する。個々の患者の術中術後経過、合併症等を詳細に検討し本術式の有用性、安全性を検討する。
結果と考察
2008年度までに蓄積された症例は総数39症例、術式別に見ると片葉切除術7例、亜全摘術25例、腫瘍摘出術7例で手術所要時間は平均151.1分、腫瘤性病変の切除標本の腫瘍径は平均35.3mm、バセドウ病症例の切除標本重量は平均35.1gであった。出血量は平均13.7mlで術中合併症としては1例で皮弁形成時に軽度の熱傷を生じたが重篤なものはなく、全例従来法に移行することなく内視鏡下に手術を完遂した。術後合併症としては1例のみ出血を認めたが軽度で再止血術等の処置を必要とせず保存的に止血、加療を必要とする術後検査値異常も特に認めなかった。術後在院日数は平均3.6日であった。
各研究施設分を集計してその臨床データを解析すると従来法に比し、手術時間が長い傾向があるが出血量は有意に少なく、全例術前に予定した手術を内視鏡下に完遂しえた。術中、術後合併症として軽度の熱傷、出血を生じた症例を認めたが保存的な経過観察にて対応可能であった。全例超音波切開凝固装置などの内視鏡手術用の機器を用いているが、これらに起因する合併症は認めなかった。すなわちこれまでの解析からは本術式は従来法と同等に有用であり、安全性にも問題がなかったと評価される。術創は衣服に隠れ、露出部に全く見られず整容性の面では明らかに優れている。また術後在院日数は短期であり、これらの点では従来法よりも有用性が高いと評価される。
各研究施設分を集計してその臨床データを解析すると従来法に比し、手術時間が長い傾向があるが出血量は有意に少なく、全例術前に予定した手術を内視鏡下に完遂しえた。術中、術後合併症として軽度の熱傷、出血を生じた症例を認めたが保存的な経過観察にて対応可能であった。全例超音波切開凝固装置などの内視鏡手術用の機器を用いているが、これらに起因する合併症は認めなかった。すなわちこれまでの解析からは本術式は従来法と同等に有用であり、安全性にも問題がなかったと評価される。術創は衣服に隠れ、露出部に全く見られず整容性の面では明らかに優れている。また術後在院日数は短期であり、これらの点では従来法よりも有用性が高いと評価される。
結論
内視鏡下頚部良性腫瘍摘出術の有用性、安全性を確認するために先進医療として承認された国内5施設の臨床データを集計して解析した。従来法に比し整容性の面で優れその有用性が確認された。また内視鏡手術用機器の使用に際する問題は生じず、術中・術後合併症も軽微でありその安全性も確認された。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-