文献情報
文献番号
200817013A
報告書区分
総括
研究課題名
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)による急性心筋梗塞治療の効果と安全性に関する臨床研究
課題番号
H20-トランス・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
高野 博之(千葉大学医学部附属病院循環器内科)
研究分担者(所属機関)
- 小室 一成(千葉大学大学院医学研究院循環病態医科学)
- 長谷川 洋(千葉大学大学院医学研究院循環病態医科学)
- 宮内 秀行(千葉大学大学院医学研究院循環病態医科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(基礎研究成果の臨床応用推進研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
18,747,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
さまざまな心血管疾患が心不全に進展する際に心臓リモデリングが重要な役割をはたしている。効果的な新規の抗リモデリング薬を開発することは今後、心不全患者数の増加が予想される我が国において急務の課題である。これまで申請者らは、動物実験で造血性サイトカインである顆粒球コロニー刺激因子 (G-CSF) が急性心筋梗塞後の心臓リモデリングを強力に抑制することを明らかにした。申請者は、実際に急性心筋梗塞患者を対象にG-CSFの安全性と効果を確認してきたが40例という少数例での解析結果であり、臨床応用させるためには大規模臨床研究により安全性と効果を再検討する必要がある。本研究では100症例の急性心筋梗塞患者を対象に6ヵ月後の心臓の機能やサイズを比較検討する。
研究方法
1. 被験者の目標数
被験者は入院中の急性心筋梗塞患者で、発症後12時間以内にインターベンション治療を施行し再開通が得られた患者。目標症例数は100例(G-CSF群:50例、コントロール群:50例)。
2. 研究方法
①投与方法
急性心筋梗塞発症後、24時間以内に1回目のG-CSFを静脈注射する。1回の投与量は10 μg/kgとする。1日1回、計5日間連続投与する。
②有効性評価項目
a) 1次エンドポイント
梗塞後の心臓リモデリングの抑制- MRI検査、左室造影検査にて評価。
b) 2次エンドポイント
・梗塞領域の縮小-RI 検査による定量的評価。
・心血管イベント (MACE) の減少。
被験者は入院中の急性心筋梗塞患者で、発症後12時間以内にインターベンション治療を施行し再開通が得られた患者。目標症例数は100例(G-CSF群:50例、コントロール群:50例)。
2. 研究方法
①投与方法
急性心筋梗塞発症後、24時間以内に1回目のG-CSFを静脈注射する。1回の投与量は10 μg/kgとする。1日1回、計5日間連続投与する。
②有効性評価項目
a) 1次エンドポイント
梗塞後の心臓リモデリングの抑制- MRI検査、左室造影検査にて評価。
b) 2次エンドポイント
・梗塞領域の縮小-RI 検査による定量的評価。
・心血管イベント (MACE) の減少。
結果と考察
進捗状況として平成20年度は実施施設の倫理審査委員会に臨床試験計画書を提出し承認された。また、申請者が所属する千葉大学の利益相反委員会に書類を提出し利益相反がないことの承認を得た。登録患者をG-CSF群とコントロール群の2群にランダムに割り当てるソフトを作成しPCにインストールした。平成20年度より症例登録が開始されたが、本格的な登録と治療・検査は平成21年度が中心となる。本研究で目指している治療法は特殊な設備や技術を必要とせず、投与方法も血管への注射ですむため一般病院でも実施が可能である。我が国でも急性心筋梗塞患者数は増加しており、G-CSF治療を受けられる患者数は膨大なものになると予想される。
結論
本研究を遂行することにより、G-CSFが急性心筋梗塞後の心不全抑制薬として実用化できるか明らかになる。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-