総合医療を主軸とした統合的な臨床研究および治験推進のための基盤整備に関する研究

文献情報

文献番号
200816011A
報告書区分
総括
研究課題名
総合医療を主軸とした統合的な臨床研究および治験推進のための基盤整備に関する研究
課題番号
H19-臨研(機関)・一般-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
上村 直実(国立国際医療センター 治験管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤規弘(国立国際医療センター遺伝子診断治療開発研究部)
  • 溝上哲也(国立国際医療センター国際保健医療研究部)
  • 新保卓郎(国立国際医療センター医療情報解析研究部)
  • 眞茅みゆき(国立国際医療センター医療情報解析研究部)
  • 川崎敏克(国立国際医療センター治験管理室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
70,951,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
欧米先進国に比肩するレベルの臨床研究の成果を算出することを目指して、国立国際医療センター(以下、IMCJ)において臨床研究を活性化するためにインフラ整備・人材育成のモデルシステム構築を主たる研究目的としている。
研究方法
目的を遂行するために、病院部・研究所・国立国際医療協力局及び運営局の職員から構成される「実務者会議」を核とした「臨床研究・治験センター」(http:/www.imcj.go.jp/crc/index.htm)。を立ち上げ、研究レジストリ・人材育成システム・臨床研究支援組織・倫理審査システムの確立を行う。
結果と考察
臨床研究レジストリの中核である「病院コホート・プロジェクト」へのエントリーが現在2000名以上だが、症例数が伸び悩んでいるため、遺伝子情報を含まない形で救急部データベースの作成を開始した(年間20000例以上)。一方、レジストリを活用した成果が順調に上がっている。
人材育成について、「臨床研究医」5名に対する育成プログラムを作成し、設定した目標に到達する可能性が示唆された。育成された若手研究者の成果を評価するため年次報告会を行った。また、今年度に臨床研究に従事したMRCに対するCRC業務の、またMRCに対するCRC業務の教育体制を模索した。MRCに各種セミナーや研修会に参加を促し、CRC業務の訓練中である。
研究支援体制については、「臨床研究相談ユニット」が順調に機能して、相談者が著明に増加しており、今後の発展が期待できた。研究の実施をサポートする「臨床研究支援室」の体制はほぼ整備されつつあるものの、今後、臨床研究のみでなく治験の迅速化をサポートするためのCRC業務と連携しての人材育成システムが必要と思われる。
倫理審査システムについては、整備が遅れている中央IRBの構築は次年度に必須項目と思われた。

結論
臨床研究を活性化するためのモデル体制の構築を目的として「臨床研究・治験センター」を設置し、臨床研究レジストリ整備のための「病院コホート・プロジェクト」の推進、若手の人材育成、研究支援体制の強化、倫理審査システムの確立を4本柱とした組織整備に着手し、それぞれの分野において順調にデータベースの拡充と利用、人材育成プログラムの策定、研究支援組織の確立、倫理審査システムの改善方策が進行しているが、次年度にはこれまでに見出されてきた問題点を解決して、臨床研究と治験の基盤整備をする予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
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