文献情報
文献番号
200816009A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床研究の実施・成果の高品質化に必須なデータマネジメント教育プログラムの開発および普及
課題番号
H18-臨研(教育)・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
成川 衛(北里大学 薬学部 臨床医学(医薬開発学))
研究分担者(所属機関)
- 青木 大輔(慶應義塾大学 医学部)
- 青谷 恵利子(北里大学 臨床薬理研究所 臨床試験コーディネーティング部門)
- 北岡 有喜(国立病院機構 京都医療センター 医療情報部)
- 佐々木 康綱(埼玉医科大学 腫瘍内科)
- 武林 亨(慶應義塾大学 医学部 )
- 中村 秀文(国立成育医療センター 治験管理室)
- 藤原 恵一(埼玉医科大学 婦人科腫瘍科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
9,877,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
臨床研究の結果は、研究を通じて得られたデータを基に導かれる。その結果又は結論の信頼性、頑健性はデータの品質に大きく依存することから、臨床研究におけるデータマネジメント(以下「DM」)業務は、研究の品質を左右する重要な役割を担う。本研究は、質の高い臨床研究を行うために必要なDM教育プログラムの開発及びその普及方法について検討し、我が国の臨床研究データの品質水準を向上させることを目的とする。
研究方法
過去2年間の研究結果を踏まえ、DM業務の入門的な講義及び実習教育プログラムを完成させ、これを実施することとし、さらに、講義映像をインターネットを利用したストリーミング配信により提供することとした。また、データベース標準化に関する検討、アカデミック・データセンターにおけるDM業務に関する教育テキストの作成を行うこととした。
結果と考察
DM業務の中でも特にセントラルDM業務を中心に、講義及び実習からなる入門的な教育プログラムを完成させ、これを実施した。また、本研究班のウェブサイト「CDMEP」を通じてインターネットを利用したストリーミング配信による講義映像の視聴や講義資料のダウンロードができるようにし、遠方施設での受講や夜間・休日などを利用した学習を可能とした。さらに、アカデミック・データセンターにおけるDM業務に関する教育テキストを作成し、関係機関に提供した。
セントラルDM業務を行う機能・組織は、臨床研究を行う全ての医療機関で必要となるものではなく、研究者主体の臨床研究においてデータセンターの役割を果たす医療機関や大学で充実されていくべきものである。このような人材を効率よく育成していくためには、異なる施設でセントラルDM業務に取り組んでいる人々の情報交換が重要であり、本研究班のウェブサイトを介した情報交換や、実習参加者同士の横のつながりを促進するシステムは、その一つのモデルになると考える。
セントラルDM業務を行う機能・組織は、臨床研究を行う全ての医療機関で必要となるものではなく、研究者主体の臨床研究においてデータセンターの役割を果たす医療機関や大学で充実されていくべきものである。このような人材を効率よく育成していくためには、異なる施設でセントラルDM業務に取り組んでいる人々の情報交換が重要であり、本研究班のウェブサイトを介した情報交換や、実習参加者同士の横のつながりを促進するシステムは、その一つのモデルになると考える。
結論
セントラルDM業務を中心に、講義及び実習からなるDM業務の入門的な教育プログラムを完成させ、これを実施するとともに、本研究班のウェブサイトを通じて講義映像の提供等を行った。また、アカデミック・データセンターにおけるDM業務に関する教育テキストを作成し、関係機関に提供した。これらの教育プログラムや資材を通じて、受講者においては、DM業務に関する一通りの基本的知識を身につけることができたものと考える。今後も、実習やOJTのプログラムを含めた継続的な教育の充実が検討され、それらが普及していくことにより実際にデータマネージャーが育成され、我が国の臨床研究データの品質向上に寄与していくことが重要である。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-