文献情報
文献番号
202027020A
報告書区分
総括
研究課題名
建築物環境衛生管理における空気調和設備等の適切な運用管理手法の研究
課題番号
20LA1007
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
林 基哉(北海道大学大学院)
研究分担者(所属機関)
- 開原 典子(国立保健医療科学院 生活環境研究部)
- 柳 宇(工学院大学 建築学部)
- 長谷川 兼一(秋田県立大学 システム科学技術学部)
- 中野 淳太(東海大学工学部)
- 菊田 弘輝(北海道大学 大学院工学研究院)
- 李 時桓(イ シファン)(信州大学学術研究院(工学系))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
中央空調方式と個別空調方式の設備の違い等に着目する。特定建築物における空気環境調整の課題整理を行う。近年の建築物環境衛生管理基準の不適合率上昇との関連を分析する。個別空調方式に特化した空気環境管理手法の確立を目指す。その管理手法に基づき、行政指導等を行う際のマニュアルの検討を行い、建築物環境衛生管理における空気調和設備等の適切な運用管理手法に資する科学的根拠を示す。
研究方法
空調方式の類型化し、中央空調方式と個別空調方式の違いを整理する。不適率上昇に関する調査により個別空調方式の管理方式や管理実態及び室内環境の差を明らかにする。
個別空調方式に特化した空気環境管理手法の確立を目指し、管理手法に基づいた行政指導等を行う際のマニュアルを作成しその効果について調査する。
個別空調方式に特化した空気環境管理手法の確立を目指し、管理手法に基づいた行政指導等を行う際のマニュアルを作成しその効果について調査する。
結果と考察
R2年度の研究によって、以下の知見が得られた。個別空調方式の建物や個別空調と中央管理の併用の建物は、中央管理のみの建物に比べて年間一次エネルギー消費量が小さくなる傾向がある。これは、個別空調方式では、必要な空間のみを空調換気することが出来ることが要因であると考えられる。しかし、個別空調は外気の影響を受けやすく建物内に環境の差が生じやすいとともに、建物間の差も生じやすい可能性がある。従って、個別空調方式の衛生管理において、室内環境の分布や変化に着目した評価が重要になる。行政報告例の不適率と比較すると、個別空調方式では、換気と加湿の制御が十分ではない場合が多く、室内粒径別浮遊粒子濃度においても高い値を示す場合がある。浮遊微生物の測定結果と併せて考えると,個別空調を採用した室内の粒子状物質のろ過性能が劣っている傾向がある。
結論
個別空調の特質から、衛生管理、行政指導に関する効果的な手法が必要であることが確認された。
公開日・更新日
公開日
2022-06-27
更新日
-