水道スマートメータ―導入に向けたデータ利活用の検討

文献情報

文献番号
202027019A
報告書区分
総括
研究課題名
水道スマートメータ―導入に向けたデータ利活用の検討
課題番号
20LA1006
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
大瀧 友里奈(国立大学法人一橋大学 大学院社会学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
3,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、スマートメータから得られるデータの利活用の可能性を検討し、その利点を具体的に示すことにより、スマートメータ導入の促進に寄与することである。そのため、①ディープラーニング手法によるデータの解析、②見える化の方法など需要サイドから手法検討、③多様な料金制度の検討、という3つのアプローチを行う。
研究方法
①ディープラーニング手法による解析 
これまでに取得済みの水使用量および水使用行動のデータを用いて、解析に適した形へのデータクリーニング手法や、水使用量データの特徴にあったディープラーニング手法を探索した。
あわせて、機械学習によるデータ分類の国内外の研究をサーベイし、ディープラーニング手法を探索した。

②需要サイドからの水使用データ活用手法の検討
データの利活用で先行している、電力使用量の活用について東京電力およびその関連会社、グリッドデータバンクラボへのヒアリング調査を行った。
また、水使用データの活用について検討し、プロトタイプを提案し、一般家庭を対象にしたアンケート調査を行った。

③多様な料金制度の検討
多様な料金制度の活用が先行している電力について、分析事例のサーベイと検証を行った。
結果と考察
各研究項目の詳細は、分担研究報告に記載するため、要点のみ記載する。
①ディープラーニング手法による解析
データの粒度が1秒間の場合のデータから解析を開始した。まずは家庭での水使用を単独水栓での使用に整理しなおして、波形の特徴を把握した。一般的に、家庭での水使用は、複数用途が並列して行われることが多いため、重ね合わせの場合の検討も行った。用途別流量予測器および用途識別器を作成した。用途識別器については、用途毎に利用の有無を出力する独立した二値識別器を複数構成し、全ての識別器で95%を超える精度で用途別の利用状況を推定できることを確認した。再現性とデータ粒度を粗くした場合について、別の家庭での再現性について、検討を実施中である。
また、国際的な研究動向をサーベイした結果、水使用量データのディープラーニングについて、分単位のデータでの成功事例はいまだないため、スマートメータからの15分から1時間に1回の粒度のデータをディープラーニングすることで可能になることが何かを考えていくことが必要である。

②需要サイドからの水使用データ活用手法の検討
ヒアリング調査の結果、防災や商圏分析への利活用の可能性があること、それに伴って個人情報保護の仕組みを近く確立する予定であることが明らかになった。一方で、需要サイドの行動やニーズの調査が行われていないことが明らかになった。
一般家庭へのアンケート調査の結果、災害、漏水、見守り等へのニーズが高いことが明らかになった。

③多様な料金制度の検討
電力使用の場合、主としてピーク需要を削減するためのデマンド・レスポンス(DR)の効果がおよそ5~20%程度と検証されていることを確認した。なお近年の研究動向として、一般家庭がDRに反応する際の限定合理性を前提とした誘導方策(ナッジ)に関する研究が増えていることが明らかになった。
結論
このように、今年度は3つのアプローチそれぞれで研究を進めてきたが、今後は、アプローチ間の連携をとりながら、進めていく。

公開日・更新日

公開日
2022-05-19
更新日
2024-11-05

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-05-19
更新日
2024-11-05

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202027019Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,000,000円
(2)補助金確定額
4,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,679,020円
人件費・謝金 286,380円
旅費 0円
その他 1,134,600円
間接経費 900,000円
合計 4,000,000円

備考

備考
利息2円

公開日・更新日

公開日
2022-02-08
更新日
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