エコーガンによる低侵襲の胎児期遺伝子治療:胎児腹腔内への非ウイルス性ベクター注入と胎児肝母体外超音波照射による遺伝子機能発現の出生前是正

文献情報

文献番号
200813004A
報告書区分
総括
研究課題名
エコーガンによる低侵襲の胎児期遺伝子治療:胎児腹腔内への非ウイルス性ベクター注入と胎児肝母体外超音波照射による遺伝子機能発現の出生前是正
課題番号
H20-活動・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
千葉 敏雄(国立成育医療センター 臨床研究開発部)
研究分担者(所属機関)
  • 梅澤 明弘(国立成育医療センター研究所 生殖医療研究部)
  • 松本 洋一郎(東京大学大学院 工学系研究科)
  • 桝田 晃司(東京農工大学大学院 共生科学技術研究部)
  • 三木 基弘(アロカ株式会社)
  • 宮本 義孝(名古屋大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(活動領域拡張医療機器開発研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
41,781,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では,異常遺伝子機能の出生前発現を低侵襲性に是正し,出生後治療・ケアの効率的支援と医療費の大幅低減を目的とする.具体的には,1.標的細胞内で一過性に効果を発現する目的遺伝子を付随した非ウイルス性ベクター(マイクロバブルなど;胎児腹腔内注入)と,2.これを母体体外から超音波照射で胎児肝に集積・破砕し,標的肝細胞・造血幹細胞に導入するシステムを開発する.
研究方法
体外から超音波照射により,模擬生体モデル内のマイクロカプセルに音響力を作用させ,その濃度や動態を局所的に制御した.また、臨床で利用されているマイクロバブルを用い,標的部位でのバブル破砕・細胞膜での小孔形成・細胞内遺伝子導入の可能性について検証した.マイクロバブルを援用した超音波遺伝子導入の機序の解明及び,より低侵襲・高効率な手法の開発を開始した.
さらに、腹腔内臓器組織に対し,高精度で超音波照射が可能なシステム構築の可能性につき検証を行った.
結果と考察
超音波ナビゲーション技術では,体外から超音波照射によって生じる音響放射力によって,流路内のカプセルの挙動を制御できることを示した.超音波遺伝子導入技術の開発としては,超音波強度を大きくするほど照射時間を長くするほど,細胞内での遺伝子導入率が向上することを確認した.超音波自動照射システムについては,動物の呼吸や心拍動など,周期的な胎動の影響をキャンセルしつつ,目的とする臓器のみへの照射が可能になった.本システムの評価については,最も条件の厳しい心腔内組織への超音波照射を行ったが,遺伝子導入対象としている肝臓などは,より標的が大きいため,現状の位置合わせ精度であっても,十分な効果が見込める.なお胎児の四肢の動きなどについては麻酔により抑制できることから,遅い動きや速い動きのいずれにも対応できる本システムは,遺伝子導入用の超音波照射においても,問題なく適用できると考えられる.ヒト肝細胞・組織の供給体制の整備としては,国立成育医療センターにてインフォームドコンセントが得られたヒト肝組織から,免疫不全マウス体内でアルブミン産生を伴うヒト肝細胞の分離と培養に成功した.
結論
本年度は,各研究課題における要素技術や周辺技術の開発と検証を進めた.また,本事業で利用され得る標的細胞の供給体制は完了した.次年度はこれらの技術を基盤とし,ヒト肝細胞および動物モデルを中心とした実験に取り組む.

公開日・更新日

公開日
2011-11-04
更新日
-