国産技術に基づく不整脈治療用衝撃波アブレーションシステムの開発

文献情報

文献番号
200813003A
報告書区分
総括
研究課題名
国産技術に基づく不整脈治療用衝撃波アブレーションシステムの開発
課題番号
H20-活動・一般-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
下川 宏明(東北大学大学院医学系研究科 循環器病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 安田聡(東北大学病院 循環器内科)
  • 伊藤健太(東北大学大学院医学系研究科 循環器病態学)
  • 福田浩二(東北大学病院 循環器内科)
  • 若山裕司(東北大学病院 循環器内科)
  • 広瀬尚徳(東北大学大学院医学系研究科 循環器病態学)
  • 高山和喜(東北大学大学院工学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(活動領域拡張医療機器開発研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
49,580,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
頻脈性不整脈に対する非薬物療法であるカテーテルアブレーションは、近年その適応が拡大しており、今後も増加することが予想される。しかし、そのエネルギー源としての高周波には、①深達度の限界、②合併症としての血栓塞栓症という2つの大きな不可避な問題点がある。本研究の目的は、この大きな問題を克服する為に衝撃波という全く異なるエネルギー源を用いた治療用カテーテルシステムを開発することである。
研究方法
衝撃波カテーテルシステム開発に当たり、研究期間中に下記を検討する。
1.工学的基礎研究開発
心筋細胞損傷に最適な圧力波形を検討し、それをホルミニウムYAGレーザーから発生させる衝撃波に応用する。任意の深達度へ衝撃波を送るためのフォーカシング装置を開発し、同時に治療用カテーテルへ応用できるように小型化に取り組む
2.実用化研究開発
開発されたフォーカシング装置を持つ衝撃波カテーテル装置の操作性を高めるため、衝撃波発生機構の細径化に取り組む。またカテーテルに個体内での位置決め機構の開発・診断機能の併設を試みる。
3.臨床的基礎研究
基礎的研究開発の段階での組織に対する衝撃波の効果を組織標本により評価する。また実用化されたカテーテルの操作性、機能性を組織標本に続き、大型動物(ブタ)標本で検討する。
結果と考察
結果
①衝撃波発生法の医学的・工学的基礎研究として、カテーテルに組み込み可能なサイズである短径4mmの衝撃波発生のための反射体を作成、そこから発生した衝撃波の収束効率を実験的に確認した。また生体疑似モデルにおける生体損傷発生に必要な圧力が30MPaであることを確認した。②アブレーションシステムの実用化に関しては、衝撃波発生装置の基本構造の設計を行い、内部構造の特定化に成功した。また衝撃波発生先端部の水分充填機構の検討を行った。
考察
衝撃波を用いた不整脈治療システムは、臨床応用可能となれば世界初の装置となる。今回カテーテル先端からの衝撃波発生装置において、衝撃波発生、その収束による衝撃波の強度を確認した。また臨床応用可能なカテーテルの基本設計を得たことより、その可能性を高めた。
結論
不整脈治療用衝撃波アブレ-ションシステムは、任意の点に衝撃波を収束させることが可能であり、あらゆる深度の起源をもつ不整脈に対して有効な治療法となりうる。衝撃波の収束距離の精度・強度の向上を進め、組み込みカテーテルの開発を更に進め、て臨床応用につなげていく。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-10-29
更新日
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