文献情報
文献番号
202025025A
報告書区分
総括
研究課題名
GMP、QMS及びGCTPのガイドラインの国際整合化に関する研究
課題番号
20KC2003
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
櫻井 信豪(東京理科大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
- 坂本 知昭(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部 第三室)
- 紀ノ岡 正博(大阪大学大学院基礎工学研究科物質創成専攻化学工学領域)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
2,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
GMP分野:実効的なPQSを医薬品製造所が運用するために(1)実効的なPQSの評価手法に関する検討、(2)知識管理の手法に係る参考資料の作成を行う。さらに、(3)Annex1改訂活動として業界団体・調査当局と意見交換・集約し、改訂WGに意見提出する。
GCTP分野:GMP省令改正及び国際的な規制動向を踏まえ、再生医療等製品の品質保証水準の向上及び国際整合化のため(1)GCTP省令改正案を作成する。また、国内基準の無い(2)治験に使用する細胞加工物の製造管理及び品質管理の基準(治験製品GCTP)案を作成する。
QMS分野:国内製販及び製造業者、QMS調査実施者の質向上のために、医療機器及び体外診断用医薬品に関する国際的ガイドライン等を把握し国内ガイドライン等の整合化を図る。
GCTP分野:GMP省令改正及び国際的な規制動向を踏まえ、再生医療等製品の品質保証水準の向上及び国際整合化のため(1)GCTP省令改正案を作成する。また、国内基準の無い(2)治験に使用する細胞加工物の製造管理及び品質管理の基準(治験製品GCTP)案を作成する。
QMS分野:国内製販及び製造業者、QMS調査実施者の質向上のために、医療機器及び体外診断用医薬品に関する国際的ガイドライン等を把握し国内ガイドライン等の整合化を図る。
研究方法
GMP分野:(1)製造所が実効的なPQSを運用するための参考資料を作成する。そのためにPQSの4要素(モニタリング、CAPA、変更マネジメント、品質マネジメントレビュー)に係る不備事例を作成する。(2)製造所への知識管理の浸透に必要な情報を含む参考資料を作成するために、国内製造所での知識管理の実践例や課題を抽出するためのアンケート案を検討する。(3)Annex1改訂案のパブコメ対応のために、業界団体及び当局の意見を集約する。
GCTP分野:(1)GMP改正省令案に基づき、GCTP改正省令案の原案を作成する。 (2)治験薬GMP通知をベースに、治験製品GCTP案の原案を作成し研究班において合意を得る。また、治験製品GCTPを補足するQ&Aは既に提示されていた質問事項に対する回答案の検討を進める。
QMS分野:(1) ISO 13485:2016に対応したQMS改正省令案及び逐条解説案等の作成、(2) QMS調査結果報告書の平準化の検討及び国際的に通用する報告書の作成を促すため、調査報告書の記載事例の提示(3) QMS調査員の資格認定の平準化(4) 電磁的な文書及び記録の管理に関するガイダンスの周知を行う。
GCTP分野:(1)GMP改正省令案に基づき、GCTP改正省令案の原案を作成する。 (2)治験薬GMP通知をベースに、治験製品GCTP案の原案を作成し研究班において合意を得る。また、治験製品GCTPを補足するQ&Aは既に提示されていた質問事項に対する回答案の検討を進める。
QMS分野:(1) ISO 13485:2016に対応したQMS改正省令案及び逐条解説案等の作成、(2) QMS調査結果報告書の平準化の検討及び国際的に通用する報告書の作成を促すため、調査報告書の記載事例の提示(3) QMS調査員の資格認定の平準化(4) 電磁的な文書及び記録の管理に関するガイダンスの周知を行う。
結果と考察
GMP分野:(1)実効的なPQS:4要素の不備事例案を策定した。今後は具体的な問題点や原因究明、再発防止活動等の内容を検討する。(2)知識管理:アンケート案を策定した。今後はアンケートを実施して回答を解析し参考資料の作成を検討する。(3)Annex1パブコメに対して意見提出した。現在もWG内・PIC/S加盟当局内で議論を継続中。
GCTP分野:(1)GCTP改正省令案の原案を作成した。今後、GMP改正省令及びAnnex 2Aの内容を精査し、GCTP省令改正案に取り入れる事項を検討するとともに、上記を補足する施行通知案の検討を進める予定。(2)治験製品GCTP案の原案について研究班の合意を得た。また、治験製品GCTPを補足するQ&Aの回答案の検討を進めた。今後はAnnex 2A等の内容を踏まえて、治験製品GCTP案の修正を検討するとともに、Q&Aの最終化を進める。
QMS分野:(1)QMS改正省令案のパブコメに伴い、逐条解説案及びQMS調査要領案を作成し、(2)QMS調査結果報告書の記載事例案及びその英訳の最終化を行った。また、(3)調査員の資格認定の平準化のため、ISO/IEC 17021-1附属書Aを満たすための基準を整理し、事例集を作成する予定。さらに(4)電磁的な文書及び記録の管理に関するガイダンスの周知として、当該ガイダンス文書をPMDAのHPに掲載した。ISO 13485:2016に対応したQMS改正省令を早期に完了させることは、国際標準と整合させることから大変意義がある。近年、MDSAPや国を越えて相互に調査報告書を活用していく枠組みが実行されている状況であり、調査報告書記載事例はこれを後押しできるものとして期待している。
GCTP分野:(1)GCTP改正省令案の原案を作成した。今後、GMP改正省令及びAnnex 2Aの内容を精査し、GCTP省令改正案に取り入れる事項を検討するとともに、上記を補足する施行通知案の検討を進める予定。(2)治験製品GCTP案の原案について研究班の合意を得た。また、治験製品GCTPを補足するQ&Aの回答案の検討を進めた。今後はAnnex 2A等の内容を踏まえて、治験製品GCTP案の修正を検討するとともに、Q&Aの最終化を進める。
QMS分野:(1)QMS改正省令案のパブコメに伴い、逐条解説案及びQMS調査要領案を作成し、(2)QMS調査結果報告書の記載事例案及びその英訳の最終化を行った。また、(3)調査員の資格認定の平準化のため、ISO/IEC 17021-1附属書Aを満たすための基準を整理し、事例集を作成する予定。さらに(4)電磁的な文書及び記録の管理に関するガイダンスの周知として、当該ガイダンス文書をPMDAのHPに掲載した。ISO 13485:2016に対応したQMS改正省令を早期に完了させることは、国際標準と整合させることから大変意義がある。近年、MDSAPや国を越えて相互に調査報告書を活用していく枠組みが実行されている状況であり、調査報告書記載事例はこれを後押しできるものとして期待している。
結論
GMP分野:以上の成果を周知して医薬品業界にPQSを広く浸透で、製造業者のGMPレベルの向上、そして我が国に流通する医薬品の品質保証の確保に貢献することができると考えられる。
GCTP分野:GCTP改正省令及び治験製品GCTPの原案を作成した。今後、GMP改正省令、Annex 2A等の規定を踏まえて、上記2案の修正の必要性を検討し、国際整合性を考慮した基準案を確定する。上記活動は、我が国における再生医療分野の品質保証の底上げに寄与すると考えられる。
QMS分野:当該研究の成果物は、医療機器製造販売業者等の国際規格に準じた製造管理及び品質管理に係る規制に対する理解と対応の円滑化を促すことに寄与していると考える。
GCTP分野:GCTP改正省令及び治験製品GCTPの原案を作成した。今後、GMP改正省令、Annex 2A等の規定を踏まえて、上記2案の修正の必要性を検討し、国際整合性を考慮した基準案を確定する。上記活動は、我が国における再生医療分野の品質保証の底上げに寄与すると考えられる。
QMS分野:当該研究の成果物は、医療機器製造販売業者等の国際規格に準じた製造管理及び品質管理に係る規制に対する理解と対応の円滑化を促すことに寄与していると考える。
公開日・更新日
公開日
2021-05-31
更新日
-