安全な血液製剤の安定供給に資する適切な採血事業体制の構築のための研究

文献情報

文献番号
202025012A
報告書区分
総括
研究課題名
安全な血液製剤の安定供給に資する適切な採血事業体制の構築のための研究
課題番号
19KC2002
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
浜口 功(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 岡田 義昭(埼玉医科大学 医学部)
  • 田野崎 隆二(慶應義塾大学医学部 輸血・細胞療法センター)
  • 山口 照英(金沢工業大学 加齢医工学先端技術研究所)
  • 大隈 和(国立感染症研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
7,920,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
SARS-CoV-2感染者の急増に伴い、献血者の保護と血液の安定供給をはかるための採血基準の作成及びSARS-CoV-2の採血事業への影響を評価し、対応を検討する。
研究方法
SARS-CoV-2感染拡大に伴い、血液製剤の取り扱いについて、現状の考え方について研究班で知見をまとめた。海外からの研究報告、ガイドライン等を参考に、国内での対応の可能性を多角的に検討し、考え方をまとめた。令和2年度は年4回の班会議を開催した(2020年7月3日、10月21日、12月11日、2021年2月2日)。班会議には分担研究者及び日本赤十字社の担当者に協力研究者として加わった。なお、まとめた考え方は厚生労働省、血液事業部会安全技術調査会に検討内容として報告した。
結果と考察
1. SARS-CoV-2に係る輸血用血液製剤の安全性の検討
血液を介した感染リスクに関する海外及び国内での知見を収集し解析した。現時点で日赤のとっている献血時の検査に関する対応は、科学的に妥当であると考えるが、輸血に関するSARS-Cov-2の情報は少ないので情報収集に努め、新しい知見が得られた場合に対応できるようにすることが必要であると考える。
2. SARS-CoV-2に係る血漿分画製剤の安全性の検討
検討の資料として各血漿分画メーカーから政変製造に関するウイルスクリアランスに関するデータの提供を受け、新型コロナウイルスに類似したモデルウイルスの病原体低減化の解析を行った。解析データから、血漿分画製剤の安全性については、製剤の製造過程においてウイルス低減化の対応が十分に行われており、安全性は確保されている。
3. SARS-CoV-2既感染者の献血制限に関する今後の対応
海外ではSARS-CoV-2既感染者の献血が開始されており、国内においても感染者が急増する中、既感染者からの献血の可能性について検討した。こうした状況を踏まえ、COVID-19回復者の再エントリーの条件は、今後再燃及び再再燃の事例の感染性に関する詳しい情報を収集し、供給量の状況も考慮した上で既感染者の献血制限について検討する。検討にあたっては、献血における献血従事者や他の献血者の安全性を確保する観点も考慮する。
4. 新型コロナウイルスワクチン接種者に対する採血制限期間の検討
海外でのワクチン接種後の献血期間制限に関する規制動向を参考に令和3年2月時点でのワクチン接種後の献血制限に関する知見を整理した。これらの検討の結果、今回の新型コロナウイルスワクチンはこれまで我が国で使用されたワクチンとは異なるタイプのワクチンであること、血液製剤の安定供給に支障をきたす状況にはないこと等から、当分の間、接種後4週間を採血制限の期間とすることが妥当とした。しかしながら、接種の進捗状況に合わせて、引き続き制限期間の検討を行う。


結論
2020年度はSARS-CoV-2感染拡大に伴い、血液製剤の取り扱いについて、採血事業体制構築の観点から4つの課題について現状の考え方を研究班でまとめた。海外からの研究報告、ガイドライン等を参考に、国内での対応の可能性を多角的に検討し、考え方をまとめた。

公開日・更新日

公開日
2021-05-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-05-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202025012Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,000,000円
(2)補助金確定額
8,732,000円
差引額 [(1)-(2)]
268,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 7,477,920円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 174,260円
間接経費 1,080,000円
合計 8,732,180円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2022-08-10
更新日
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