医薬品、医薬部外品の承認基準制定にあたっての基本的考え方に関する研究

文献情報

文献番号
199700455A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品、医薬部外品の承認基準制定にあたっての基本的考え方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
内山 充((財)日本公定書協会会長)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 薬物療法等有用性向上推進研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
一般用医薬品及び医薬部外品の承認審査にあたっては、事務処理の効率化と迅速化を図る観点から、成分及び分量、用法及び用量、効能又は効果等に関する承認基準を制定し、これに基づいて審査することとされており、昭和45年の「かぜ薬」以降、平成9年までに13薬効群と3製品群に承認基準が制定され、併せて承認権限が地方委任されてきた。しかしながらこれまで承認基準の制定にあたっての基本的な考え方は示されてこなかったことから、本研究では、医薬品及び医薬部外品について、新たな承認基準の制定にあたっての基本的な考え方をまとめることを目的とするものである。
研究方法
本研究を進めるにあたっては以下の観点から検討を行った。
?承認基準の制定を検討すべき薬効群(部外品の製品群)の特定を検討。
?対象薬効群(部外品の種類)について承認基準に盛り込むべき項目内容を検討。
?検討項目毎に必要とされる科学的データの内容の特定と評価の観点を検討
?基本的考え方のとりまとめについて考察
結果と考察
?承認基準の制定を検討すべき薬効群(部外品の種類)の特定について ・新たに承認基準の制定を検討していくべき薬効群や製品群を検討する場合には、ある程度まとまった数の製品がその群に属していること、さらにそれらの製品の間に共通性(パターン)があって評価が標準化できることが必要と考えられる。また、承認基準の拡大が望まれ、これまでにも地域の製造企業が既知の成分の組み合わせを変えて申請する品目が多い群については承認基準制定の意義が高いと考えられる。 ・一般用医薬品でこれまでに承認基準が制定された薬効群の見直しにあたっては、対象となる範囲の拡大が望まれている群から進めていくのが効率的であり、承認基準内の品目と承認基準外の品目との動向を踏まえ、事務処理の効率化も勘案して基準の拡大を検討していくことが望ましいと考えられる。 ・作用が緩和であり専門家による情報提供が必ずしも必要ではないとの点から、医薬品ではなく医薬部外品にカテゴリーの見直しが行われるべきことが提唱された15製品群のうち、健胃剤、ビタミン主薬製剤については、医薬部外品に移行しても医薬品と同様に承認基準が制定されることが望ましい。また、その他の13製品群についても、カテゴリー移行の際の基準を基本として承認基準の制定が可能ではないかと考えられる。 ・これまで医薬部外品の承認基準に取り込まれなかった洗口剤、生薬配合の浴用剤や品質基準の定められている生理処理用品については、内容を整理し直せば承認基準として整備することも可能と考えられる。
?承認基準に盛り込むべき項目内容についての検討 ・項目については医薬品と医薬部外品とで共通であることが望ましく、また、品質、有効性、安全性の観点からするとその内容についても極端な程度の差があるのは好ましくないと考えられる。
?検討項目毎に必要とされる科学的データの内容の特定と評価の観点の考察 ・検討に必要とされる科学的データの整備に関しては各分野毎にさらに専門的に検討することが必要と考えられる。 ・各データを評価する際の観点の考察としては、標準化された内容で普遍的画一的な判断が可能であること、承認の判断について地方委譲可能であること等を考慮することが必要と考えられる。
結論
・承認基準の考え方については整合性を図りながら、その明確化を図ることが必要である。また、医薬品と医薬部外品の間で承認基準の項目やデータの内容等については、できるだけ共通化を図ることを目指していくべきと考えられる。 ・承認基準の具体的内容や検討に必要とされるデータ等の具体的な内容については今後さらなる検討が必要と考える。

公開日・更新日

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更新日
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